【医師監修】赤ちゃんの熱の測り方で気をつけることは?

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師松井 潔 先生
小児科 | 神奈川県立こども医療センター 産婦人科

愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。

赤ちゃん熱の測り方イメージ

 

赤ちゃんは大人より平熱が高いことは知っているママも多いかと思います。ただし、あまりに体温が高いときや低くても他の症状もある場合は、病気による発熱を疑わなければなりません。そもそも、赤ちゃんの平熱が何度なのか把握していない人もいます。赤ちゃんは朝と夜、授乳時や泣いているとき、寝ているときや起きているときなどでも体温が変動することが一般的です。そこで、今回は赤ちゃんのお熱の測り方、赤ちゃんにおすすめの体温計などについて紹介します。

 

 

あわてなくても大丈夫!赤ちゃんの平熱は意外と高い

赤ちゃんの平熱は36.5~37.5度ぐらいです。赤ちゃんを抱っこしたことがある人はわかると思いますが、赤ちゃんや子どもの体温は大人に比べて高いです。抱っこやおんぶなどで赤ちゃんが寝てしまうとさらに体温は上がります。また、皮膚に接している部分が温かくなり、じんわりと汗をかくでしょう。

 

赤ちゃんの平熱が高いのは、皮膚が薄く体の機能が未発達で汗腺がうまく機能せず、体温調節ができないためといわれています。体に熱を帯び皮膚が薄いため、体温計で測ると大人の微熱程度の体温があり驚くでしょう。しかし、37.5度あっても心配するような状態ではないため、あわてる必要はありません。沐浴後や入眠前はいつにも増して体温が高くなるものです。

 

多少体温が高くても、高熱がひいた後に発疹が体中に広がる〝突発性発疹〟のように自宅で様子を見ていいものもあります。「いつもと同じように機嫌が良い」「授乳や離乳食などの量もいつもと変わらない」「嘔吐も下痢もない」ということなら特別心配しなくても大丈夫でしょう。その場合は、ホームケアで様子を見てもいいでしょう。


その反対に大した熱ではなくても、様子がいつもと違う様子が見られたら、微熱でも受診してください。

 

逆に、「ぐったりしている」「食欲がない」「声をかけても反応が薄い」などいつもと明らかにようすが違う場合は、発熱していなくても注意が必要になります。しかし、多くの場合、そのような症状が出れば発熱を伴うことが多いものです。自分のつらさを口に出せない赤ちゃんのため、いつも見ている人が異変のサインにいち早く気づくことが大切ですね。

 

 

早いうちに習慣化を!赤ちゃんの熱の測り方にはコツがある

赤ちゃんの平熱が何度なのか、正確に言い当てられる親は少ないのではないでしょうか。なぜなら、起床時、日中、夜間など、何の病気でなくても1日のうちで体温が変化するためです。体温調節機能が未発達なため厚着をさせれば体温が上がり、泣く、授乳、排便などで簡単に体温は上下します。できれば、最初は朝・昼・晩・寝る前とこまめに測り、ある程度赤ちゃんの体温を把握出来たら朝のうちに体温を測ることを習慣にしておくと良いでしょう。毎日決まった時間に熱を測ることで、いつもより体温が高ければすぐに気づくことができます。

 

保育園や幼稚園に入園することになっても、毎朝の健康観察のための体温測定が必須になり、連絡ノートなどに記入しなければならなくなります。少しでも発熱していたら預けることは難しくなるでしょう。流行性の感染症などにかかっている場合にも、いち早く発見しクラスへの蔓延を防ぐためです。小学校に上がっても体温測定は必要になります。プールの時期などは特に重要で、熱を測り忘れると授業が受けられないこともあります。小さいころから歯磨きなどと同じように体温を測ることを習慣にしておくのがおすすめです。

 

新生児のうちは、病院から首のシワの間に体温計を差し入れて熱を測ることをすすめられることが多いのではないでしょうか。なぜなら、肌着を脱がせて脇に体温計を差し入れるよりも、簡単に熱を測ることができるからです。しかし、首にはさんでも正確に測定できない場合があるため、膝の上に抱っこして脇の真ん中に体温計の先端が当たるように挟み、腕が動かないように抱きかかえる方法が良いでしょう。要は、体温を測るのに必要な時間だけ動かないようにすれば良いのです。

 

また、汗をかいていたら先に拭いておきます。物心付く前の新生児のうちから体温を測ることを習慣にしておけば、嫌がらずにじっとしていてくれるでしょう。計測の間、じっとしていられたら褒めてあげるなどして、楽しい雰囲気づくりをするのがおすすめです。熱を測ることに対して不快、苦痛などの感情を持たせないようにしてあげることで、その後の体温測定に手こずることが少なくなります。

 

 

大人と同じ体温計でもいいの?赤ちゃんにはどんな体温計がおすすめ?

赤ちゃん用の体温計として販売されているものは、「スタンダードな脇で測るもの」「耳で測るもの」「おでこで測るもの」など様々なタイプがあります。計測時間もタイプによりわずか1秒で測れるものや、1分、3分、10分などさまざまです。


水銀タイプの体温計で時間をかけて測るのが正確に体温が測れるといわれていますが、世界保健機関(WHO)は2020年までに各国の医療機関で水銀を使った体温計や血圧計などの使用をやめるとする指針をまとめました。2020年以降は水銀計は製造が禁止となるため、デジタル体温計を使うのが良いと思います。赤ちゃん専用の体温計でなく大人用のものでも十分に体温は測れます。

 

しかし、口で説明してじっとしていられる子なら良いですが、大きくなるにつれてどんどん動きが活発になってきます。できるだけ短時間で正確に近い体温が測れるタイプの赤ちゃん用の体温計が良いでしょう。短時間じっとしていれば予測の体温が表示される電子式体温計が手軽で便利です。

 

耳やおでこで瞬間的に測れるタイプの体温計も出ています。ただし、測り方によっては誤差が出やすいため、発熱が疑われるときは長く挟むタイプの体温計で正確な体温を測り直すことになるでしょう。ですが、じっとしていられない子の体温を測る際や、急いで保育園に預けなければならないときなどは瞬間的に測れるタイプの体温計が非常に頼りになります。

 

赤ちゃん用の体温計は、短時間で測れる予測式のもので、挟んでいるときにすぐに体温が確認できるようにデジタル表示が大きめのものが良いですし、乳児用や幼児用のものが使いやすいです。大人用のものを家族で使い回すときは、念のため先端をアルコール消毒や清浄綿で清潔にしてから使用すると良いでしょう。

 

 

まとめ

赤ちゃんの体温を測るのは、寸分の狂いもなく正しい体温を記録するためではありません。平熱はそれぞれに違いますし、熱を測るタイミングによっても上下の変動があるものです。いやがって泣いただけでも体温は上がってしまいます。毎日決まった時間に測る癖をつけて、体温を記録しておきましょう。流行性の感染症がはやっている時期や、家族が病気にかかったときなど、赤ちゃんの体温の変動でいち早く異変に気づくことができます。熱の高さだけで判断できない病気も多いので、いつもと違う!というママやパパの勘が大切です。そのためにも、ママやパパが日頃の様子を把握しておくといいでしょう。

 

 

 

 

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