予防接種(ワクチン)リストとポイント
子どもが受けるべき予防接種は、年を経るとかなり様変わりします。親やきょうだいが受けたワクチンがなくなっていたり、種類が違っていることもあります。最近の動向について、松井 潔先生にお話を伺いました。
※この記事は2020年12月に再編集されたものです。
【生後6週から接種可能】
ロタウイルスワクチン
急性胃腸炎の原因であるロタウイルス感染症を予防するワクチンです。
口から飲む経口ワクチン。
生後6週から接種できますが、生後2カ月からヒブ・小児用肺炎球菌などどの同時接種がおすすめです。
生ワクチンで4週以上あけて2回目を内服します。2種類のワクチンがあり、3回内服するワクチンもあります。
生後6カ月までしかできません。
有料です。
以前は任意接種でしたが、2020年10月から定期接種化されました。
【生後2カ月から接種可能】
ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン
いずれも定期接種のワクチンで、主に髄膜炎を予防するために接種します。
どちらのワクチンも4回接種しますが、開始年齢等により接種回数が変わります。同時接種も可能です。
B型肝炎ワクチン
3回接種します。
このワクチンはB型肝炎ウイルスによるキャリアーになることを予防するワクチンで、究極の目標は肝硬変・肝がんの予防にあります。
日本では以前からB型肝炎ウイルスの母子感染予防がおこなわれていましたが、国際化のため乳幼児期に水平感染(唾液,汗,涙にもウイルスがいるそうです)する可能性が高くなってきているとされています。
【生後3カ月から接種可能】
四種混合ワクチン
従来の3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)に不活化ポリオを追加したものです。
合計4回接種し、11歳のときに2種混合ワクチン(ジフテリアと破傷風)を接種するので計5回接種します。
最初の3回は3~8週あけて接種します。
ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンと同時接種も可能です。
ポリオは以前は生ワクチンでしたが、流行地域では生ワクチンが必要ですが、非流行地域では、不活化ワクチンを使用します。流行地域では生ワクチンを使用しないと、感染を制御することができません。
【生後5カ月から接種可能】
BCGワクチン
結核を予防するワクチンです。
生後11カ月までに1回接種しますが、現在は5~7カ月で接種することが推奨されています。これは他にも接種しなければならないワクチンが多くあるためと考えられます。BCGは重症結核感染の予防にあります(結核性髄膜炎や粟粒結核)。
将来にわたって結核が予防できるというものではありません。日本は結核の少ない国ではありません。他のワクチンとの兼ね合いも大切ですが、できるだけ早期に接種するのがこのワクチンの本来のポリシーなので、早めに接種しましょう。
【1歳以降に接種するワクチン】
MRワクチン(麻疹と風疹混合ワクチン)
水痘ワクチン
おたふくかぜワクチン
MRワクチンと水痘ワクチンは定期接種で、おたふくかぜは任意です。
MRワクチンは1歳と幼稚園の年長さんの時期に接種します。
水痘は2回接種が推奨されています。これは1回だけだと水痘に罹患することが少なくないからです。水痘は感染力が強く、新生児や免疫の弱い子どもでは重症化しやすいので、集団的防御の観点からもできるだけ2回接種するのがよいと考えられます。
おたふくかぜも2回接種が推奨されています。
【3歳以降に接種するワクチン】
3歳からは日本脳炎ワクチンを接種します。6カ月から接種ができますが、摂取量が3歳未満は0.25ml 、3歳以上は0.5mlとなるので多くの地域では3歳以降に接種されることが多いです。
日本脳炎ウイルスは日本のみの病気ではなく、アジア地域にひろく流行しています。豚がウイルスをもっていて、豚の血をすった蚊にヒトが刺されるとウイルスが体に入ります。したがって養豚場のある地域で発症しますが、発症数が非常に少ない病気です。
※厚生労働省では、新型コロナウイルス対策が気になる保護者に向けて、子どもの健康が気になるときだからこそ、予防接種と乳幼児健診は遅らせずに予定どおり受けるよう情報発信しています。
予防接種のタイミングは感染症にかかりやすい年齢などをもとに決められており、乳幼児健診は子どもの健康状態を定期的に確認して相談する大切な時期なので適切な時期にきちんと受けましょう。予防接種を受けそびれてしまった方はできるだけ早く受けましょう。
体調が悪いときは予防接種や健診に行くのはやめ、元気になったら改めて予定を立てましょう。
乳幼児健診は、感染状況などを踏まえて中止、または実施方法などを変更している場合があります。お住まいの市町村の子育て世代包括支援センターや母子保健窓口にお問い合わせください。
参考:厚生労働省「遅らせないで!子どもの予防接種と乳幼児健診」