父親の暴言・暴力を子どもにどう説明すればいいですか?
もうすぐ3歳の子どもが一人います。夫との付き合いは、結婚期間も含めて17年になりますが、もともと身体的、精神的な暴力を使う人でした。子どもが生まれてからは自分の時間が少なくなったせいか、ますます暴力がひどくなっています。子どもの前でも、ささいなことで怒鳴り散らし、物を投げたり、私を殴ったりすることもよくあります。
できるだけそうならないよう、夫のわがままも聞き、気をつけて接しているつもりですが、防ぐのが困難な状況です。私から見れば夫は親になりきれず、心は子どものままなのだと感じます。今のところ、離婚は考えていません。
最近では夫が暴力的になると、子どもが「うるさ~い!!」「いけないよ!!」と父親に向かってはっきり言います。暴力・暴言はいけないことと分かっているので、真似しないでほしいと思っていますが、そのときにはどのように声を掛けたらいいのでしょうか?
「パパはいけなかったね。大きな声は恥ずかしいね。真似しちゃいけないよ」「大きな音がしたけど、知らんぷりしていようね」こんな風に声をかければいいのでしょうか? 仮にも一家の主である父親を卑下する言葉を子どもに言ってよいものか、また「父は悪い」というイメージを植え付けるようなことを言うのは避けるべきなのか、悩んでしまいます。
妻への暴力をふるう人は、子どものままでいたい人なのかもしれません。または、妻を支配したいために、暴力・暴言を使っているのかもしれません。あなたは、できるだけ腹を立てないように、気を配ってきたようですね。
3歳のお子さんが、最近お父さんに抗議し始めたようですが、そのとき、夫はどのような反応をしているでしょうか? ご質問を読む限りでは、暴力をお子さんに向けている様子はないようですね。
あなたがお子さんに伝えているように、「怒ったときに大きな声を出すのは恥ずかしいこと」「真似しちゃいけないよ」と、お子さんに伝えるのは適切だと思います。あくまでも、「お父さんそのものがいけない」のではなく、「お父さんのしている暴力、暴言はいけない」と伝えるようにしてください。
また、お父さんにも優しいときや、子どもと遊んでくれるときもあると思います。そんなときには「パパって、とってもステキだね!」とか「楽しいね、うれしいね、優しいパパだね」というように、よい言葉も投げかけてみてください。毎日仕事に行く、子どもにほほえみかけるなど、お父さんが普段当たり前に行動している姿に注目して、「いつも働いてくれてありがとう」「子どもに優しくしてくれてありがとう」など、感謝の言葉を投げかけてみてください。すると、お父さんにも家族への思いやりの気持ちが育ち、態度が少しずつ変わってくるかもしれません。
また、夫からの暴力や暴言を受け続けていると、あなた自身の気持ちが追いつめられてしまうと思います。地域の保健センター、女性センター、男女共同参画センターなどに相談窓口があります。電話でも相談できますので、ぜひ気持ちを打ち明け、相談に乗っていただくことをお勧めします。