1ヶ月健診でビタミンKを接種しませんでした
里帰り出産のため、出産した病院とは別の病院で1ヶ月健診を受診しました。素人知識なのですが、ビタミンKシロップを飲むものだと思っていたのですが、いただけませんでした。その病院を疑うわけではないのですが、他に患者さんもおらず、1ヶ月健診を常時やっているという雰囲気ではなかったので、ちょっと不安になりました。
シロップを飲まないと、後々大変なことになるのでしょうか? 別の病院で再度受診したほうがいいのでしょうか?
血液を固める成分の中には、ビタミンKがないと作れないものがあります。普通の人ではビタミンKが不足することはありませんが、生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんはビタミンK不足である可能性が高いです。なぜなら、ビタミンKは胎盤を通過しないこと、母乳中にあまり含まれていないこと、さらにビタミンKは腸内細菌によって作り出されるのですが、無菌で生まれる赤ちゃんには十分にビタミンKを作り出す腸内細菌がないためです。
ビタミンK不足の状態ですと、消化管出血でたとえば便に血が混じったり、また頭蓋内出血を起こしたりします。こうしたことを予防するために、通常は誕生後24時間で、また退院する前、そして1ヶ月健診時と3回ビタミンKのシロップを赤ちゃんに飲ませます。
人工乳(ミルク)にはあらかじめ十分なビタミンKが含有されていますので、1ヶ月健診までの間に混合哺乳、あるいは人工乳であれば3回目のビタミンKシロップは飲ませない場合もあります。ご質問の赤ちゃんが完全母乳の場合、産科と小児科の両方ある医療機関を受診し、相談した方がよいでしょう。
また1ヶ月健診は、出産した病院で受けられることをお勧めします。1ヶ月はまだ周産期として妊娠中の影響が赤ちゃんに残っている時期ですので、妊娠、分娩、出生後間もなくの情報が揃っているところで健診を受ける方が、赤ちゃんのためには安心です。