家族のぜんそくは影響しますか?
3ヶ月の女の子について質問します。私の母が長年ぜんそくを患っています。先日、新聞記事に親のせきが原因で、生後10ヶ月の乳児が百日ぜきにかかったとありました。親のせきの中に百日ぜきの抗体があり感染した、とのことです。また、飛沫感染するとも記事にありました。やはり、家族にぜんそくがあってせきをしている場合、子どもに影響するのでしょうか?
まず、ぜんそくはアレルギーであり、百日ぜきとは異なります。親のアレルギー体質が遺伝すると、子どももぜんそくになる可能性がありますが、ぜんそくのせきによって感染するわけではありません。
百日ぜきは「百日ぜき菌」という感染力の強い菌による感染症です。しかし、三種混合(DPT)ワクチンを早めに接種していれば、たとえ親が百日ぜきにかかってせきをしたとしても、子どもは感染せずにすむでしょう。
三種混合(DPT)ワクチンは、百日ぜきと破傷風とジフテリアの3つの病気を予防するワクチンです。百日ぜきは、へその緒を通じてお母さんから赤ちゃんに与えられる免疫ではないので、生後まもない頃でもかかる可能性はあります。
生後3ヶ月から三種混合(DPT)ワクチンの接種が受けられますので、ぜひ早めに受けるとよいでしょう。各自治体でワクチンの無料チケットが配布されています。かつて東京では、このワクチンの無料チケットは2歳過ぎないと使えないという時代がありましたので、当時は、1歳前後で百日ぜきにかかった乳幼児をたくさん診察しました。
しかし、今では生後3ヵ月から無料券が配付されているようなので、百日ぜきに感染した赤ちゃんを診ることはほとんどなくなりました。新聞記事の生後10ヵ月の赤ちゃんは、おそらく三種混合(DPT)ワクチンをまだ接種していなかったのではないかと思います。