【助産師監修】妊娠初期(4週~15週)の症状と気を付けること

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監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

妊娠初期イメージ

 

妊娠初期とは、妊娠4~15週にあたります。妊娠初期はつわりを初めとするさまざまな症状が現れます。今回は、妊娠初期の赤ちゃんの状態、ママの体調の変化、日頃の生活で注意すべき点などをご説明します。

 

 

 

妊娠初期の症状とは?

妊娠4~15週、月数に換算すると妊娠2~4カ月を「妊娠初期」と呼びます。ママはつわりなど、さまざまな初期症状を経験します。

 

体調の変化で妊娠に気づく

この時期、「生理が来ない」あるいは「吐き気がする」などのきっかけで妊娠に気づく人が多いでしょう。基礎体温をつけている人は、高温期が継続することで、いちはやく妊娠に気づくかもしれません。
妊娠初期は妊娠が成立し、胎児の器官形成が始まる重要な時期です。ママの身体には吐き気や嘔吐に代表される妊娠初期症状が起きます。

 

吐き気だけではない!つわりの諸症状

妊娠初期はに多くのママが経験する、つわり。実は吐き気や嘔吐以外にも、さまざまな症状があります。


<つわりの諸症状>
・吐き気、嘔吐
・唾液の量が増える(よだれつわり:唾液過多症)
・身体がだるい、疲れやすい、眠気(眠りつわり)
・空腹時に気持ち悪くなる(食べつわり)
・においに敏感になる(においつわり)

 

特に、食に関するさまざまな問題に困らせられるママが多いでしょう。それまで大好きだった食べ物を急に受け付けなくなったり、特定の食べ物ばかりを食べたくなったり……。「つわりはいつか終わる」と分かっていても、ママにとっては辛い時期です。
 

 

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妊娠初期の赤ちゃんとママの状態

妊娠初期に起こるできごとや身体の変化を週数別に見ていきましょう。

 

・~妊娠4週 妊娠が成立
妊娠3週~4週に、受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。


・妊娠4週~5週 妊娠の検査
早ければ妊娠4週で妊娠検査薬が陽性を示します。病院を受診し、超音波検査で胎嚢(たいのう:赤ちゃんを包む袋)の存在を確認します。


・妊娠5週 つわりの症状が出始める
 赤ちゃんの心臓や中枢神経の形成が始まります。ママはつわりの症状が出始めます。


・妊娠6週 胎児心拍を確認
超音波検査で赤ちゃんの心拍が確認できます。自治体や医療機関にもよりますが、早ければこの時期に母子手帳が交付されます。


・妊娠12~15週 つわりが終了するころ
赤ちゃんの手足やオシッコをしている様子を超音波検査で確認することができます。妊娠15週ごろには胎盤の形成がほぼ完了します。この時期、ママのつわりはじょじょに収まってきますが、つわりの終了時期には個人差があります。

 

 

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妊娠初期に起こりやすい異常

妊娠初期に好発するトラブルについてご説明します。

 

●妊娠悪阻(にんしんおそ)
つわりの症状が重症化した状態を「妊娠悪阻」と呼びます。

嘔吐を頻繁に繰り返し、体重が著しく減少するなどの症状が特徴です。「つわりは病気ではない」と思われがちですが、妊娠悪阻の場合は入院して点滴などの治療が必要なケースもあります。

 

●切迫流産
「切迫流産」とは、流産になる前段階で、妊娠継続の可能性がある状態を指します。

主な症状は出血と下腹部の痛みです。

日本産科婦人科学会(※)によると『妊娠12週までの切迫流産に有効な薬剤はない』とされていますが、切迫流産の兆候がある際は安静に過ごすことが重要だといわれています。また、12週以降の場合には子宮収縮抑制剤などの治療をおこなうこともあります。

 

●流産
妊娠22週未満で妊娠が中断されることを「流産」と呼びます。

流産中でも妊娠12週未満に起こるものは「早期流産」に分類されます。全妊娠のうち、およそ15%が流産にいたるといわれており、そのうち約80%を初期流産が占めています(※)

症状としては、大量の出血や下腹部痛などが挙げられますが、「稽留(けいりゅう)流産」の場合は自覚症状がほとんどないといわれています。切迫流産と異なり、有効な治療法はありません。流産後は子宮内容除去術などの処置が施されます。

 

※ 日本産科婦人科学会, 病気を知ろう:産科の病気
 

 

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妊娠初期に気を付けること

妊娠を継続するうえで、妊娠初期は重要な時期だといわれています。この時期の過ごし方や、妊娠初期にやっておくべきことをご紹介します。

 

身体に負担がかかる行動を避ける

妊娠初期に発生する異常は、そのほとんどが胎児の染色体異常によって引き起こされるため、ママの行動によって左右されることはないと考えられています。

しかし、妊娠初期はママの身体も疲れやすい時期であるため、無理をしないことが大切です。危険な行動や激しい運動は控え、穏やかな生活を心がけましょう。

 

つわり中は食べられるものを食べる

つわりで食が進まないときは、無理して決まった時間に食事を摂る必要はありません。一度に標準量を食べるのではなく、少量を複数回にわけて食べましょう。つわり中は「食べられるものを食べる」ことが大切です。ただし、つわりが終わったら、きちんと栄養管理をしましょう。

 

出産する病院を予約する

妊娠が分かったら、さっそく出産する病院を検討しましょう。病院によっては、妊娠初期に問い合わせなければ、予約が埋まってしまう場合もあります。特に里帰り出産を検討している人は、早め早めに検討・予約をしましょう。

また、予約の際に予約金が必要になるケースもあります。詳しくは、医療施設に問い合わせましょう。

 

職場や周囲への報告はタイミングを選んで

つわりが酷い場合など、周囲のサポートが必要な場合は早めに報告を。体調不良で仕事を休みたい場合や、別居している両親に家事を手助けして欲しい場合などは、無理せず周りの人に相談しましょう。
一方で「妊娠初期はまだ何が起こるか分からないから」という理由で、報告をためらうママも少なくないでしょう。つわりもさほどなく、普段どおりに過ごせるのであれば、無理に報告を急ぐ必要はありません。パパとも相談のうえ、二人にとってベストなタイミングを選んでくださいね。

 

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まとめ

妊娠初期はママにとっても赤ちゃんにとっても変化の多い時期です。仕事もプライベートも無理をし過ぎないよう、体調管理を第一にしましょう。特につわり中は辛いものですが、家族に協力してもらって乗り切りましょう。

 

参考:
・日本産科婦人科学会, 病気を知ろう:産科の病気

・メディックメディア,病気が見える vol.10産科,第3版

 

 

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