【医師監修】妊活中・妊娠中に要注意の性感染症

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

腟トリコモナス症

腟トリコモナス症は、トリコモナス原虫の感染によって発症します。性器に炎症が起こり、黄緑色の臭いの強いおりものが出て強いかゆみを感じます。放っておくと子宮内や卵管にまで炎症が拡がり、不妊や流産、早産の原因となることがあります。抗トリコモナス剤や腟錠を使用すると、10日〜2週間で治療できます。

 

尖形コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)によって発症し、性器から肛門にかけて先の尖ったイボがたくさんできます。少々かゆみがあるくらいでほとんど症状はないため、発症に気がつかずにウイルスが拡がってしまうこともありますので、早めに治療する必要があります。95%はHPV6型、11型の感染によるものですが、子宮頸がんに関係するHPVの混合感染の可能性が多いので、子宮頸がん検診もしておくほうがいいでしょう。

電気やレーザーによる外科的手術や軟膏を使った治療がおこなわれます。頻度は高くありませんが、産道から赤ちゃんののどに感染すると、咽頭乳頭腫を引き起こし、窒息の原因になることもあります。そのほか、産道が狭くなったり出血の危険性がある場合には帝王切開になることもあるでしょう。

 

梅毒

梅毒トレポネーマというという細菌に感染すると、3週間ほどで性器に小さな硬いしこりができ、潰瘍になります。痛みがないために見過ごされやすく、感染後3カ月くらいでバラの花びらのような湿疹が全身にできます。ここで治療することが多いですが、そのまま放っておくと約3年後には全身に硬いこぶのような湿疹ができ、約10年後には心臓や血管、脳にも障害が現れます。

抗生物質を10日〜1カ月ほど投与して完治させます。胎内や産道で赤ちゃんに感染すると、流産や死産になることが多く、出生した場合でも先天性梅毒を発症する恐れがあるため、注意が必要です。

 

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)ウイルスの感染によって起こります。感染から1〜3週間で高熱や頭痛などインフルエンザのような症状が1〜2週間現れますが、この時点では見過ごされることが多く、その後10〜15年ほどは潜伏期として無症状のまま過ごすことが多いです。

発症すると「エイズ」と呼ばれ、肺炎や腫瘍などに侵されて衰弱していくこともあります。潜伏期に抗HIV薬等を用いて治療していけば、発症を遅らせることができます。

HIV感染症は、胎盤、産道、母乳を通じて母子感染する可能性があります。胎内感染の確率は約30%、帝王切開なら10%程度と言われおり、選択的帝王切開が推奨され、破水・陣痛前で妊娠37週ごろが目安です。抗ウイルス剤を使いながら予防しますが、確実におこなわれたものには、母子感染が成立した報告は1997年以降ありません。

 

【医師監修】妊活中・妊娠中に要注意の性感染症

 

 

 

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