知っていることを延々と聞かされる
義父は博識で、普段から私が役に立ちそうだと思ったことを教えてくれます。妊娠中も、「妊娠中はこんな栄養素を積極的にとるようにしたらいい」、「胎教にはこの音楽がいいらしい」などなど、いろいろな情報を教えてくれました。
しかし、それらはすでに知っているものばかり。妊娠している本人が1番アンテナを張っているのは当たり前なのですが、義父はそうは思わず、私がすべて初耳だと思って話しているので、期待を裏切るわけにもいかず……。
「へ~!」、「そうなんですか~!」、「あっ、それは前に助産師さんから聞いたことがある気がします!」などなど、義父の顔を立てるように返事をするのが大変でした。
「帝王切開の子は~だから」と言われる
出産は帝王切開でした。出産する前は全然気になっていなかったようなことが、やはり自分で体験すると気になるようになりました。例えば、「帝王切開で生まれた子は、辛抱ができない子になる」、「アトピーやアレルギーになりやすい」など大抵は根拠のない話です。
生まれ方は関係ないと思いながらも気にしているところへ、義父から「帝王切開の子はアトピーになりやすいから食事に気をつけるように」、「たくさん母親の愛情を与えるように」などと言われ、当時は深く傷つきました。
成長に関する心配
私には親戚に障がいをもっている人がいます。そのことは結婚する前に夫の家族に話してあり、結婚に反対されることはありませんでした。
しかし、子どもが1歳になったころ、「子どもは大丈夫か」との言葉が……。意味がわからずにキョトンとしていると、「成長に変わったところはないか」と聞き直されました。それでも私は意図が読み取れず「はあ、大丈夫です」とあいまいに答えましたが、後日、夫にそのことを話すと「障がいのことを心配しているんだよ」とのこと。夫は「余計なことを気にしないでくれ」と答えたそうです。
私は義父に対して「ひどい」と感じる半面、「気にするのも仕方ないことか」とも思い、複雑な心境でした。
義父はときどき私の心の弱いところを突いてくるので、傷つくことがあります。しかし義父にはまったく悪気がなく、むしろ好意からしてくれているということはわかっていて、私が気にし過ぎている面もあるなと気づかされることもあります。助言をありがたく聞き入れて、素直な気持ちでいることの大切さを、義父のおかげで忘れないでいられます。
著者:武田沙季子/女性・主婦。自身の体験をもとに、妊娠や出産、子育てに関する体験談を中心に執筆している。
作画:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています