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「しつけよう」と思わないほうがラク?子どもに生活習慣を身につけてもらうには

保育士の中田馨さんが、子どもへの生活習慣の教え方についてお話ししてくれました。1〜3歳にできる生活習慣や声かけなどをまとめて解説!

生活習慣の教え方のイメージ

 

こんにちは、保育士の中田馨です。1歳が近付いてくると生活リズムが整ってきて、食事、睡眠、遊びを毎日だいたい同じ時間にするようになります。それと同時に歯磨き、手洗い、お風呂、トイレなど「生活習慣」のしつけを徐々に考える時期に入ってきます。

 

今回は年齢ごとの生活習慣を身につける方法を話します。

 

生活習慣を身につけるポイント

乳幼児が生活習慣を身につけるためにはポイントがいくつかあります。

 

1.親が気持ちに余裕を持つ

乳幼児に「手洗いはごはん前に毎回するのよ」と言ったところで、すぐにそれを自分でできるようになるわけではありません。3歳になっても、サッと洗面所に行けるときもありますし、遊びの途中でなかなか行動に移せないときもあります。親の「してほしい」気持ちと子どもの「したい気持ち」はなかなか一致しないもの。なかなか上手くいかずモタモタするので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。生活習慣は、練習に練習を重ねてできるようになることも多いので「思い通りに行かなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちで取り組みましょう。

 

2.できた喜びもできなかった気持ちも共感する

子どもは、ほめられるととても嬉しい気持ちになり、それが自信につながります。ですので、できたときは子どものうれしい気持ちに共感します。また、できなかったときは残念な気持ちや不安な気持ちになるかもしれません。そんなときも子どもの気持ちに共感し、「大丈夫だよ」と伝えて安心させましょう。

 

3.自分でできることはさせる

まだまだ身体機能が未発達です。時間がかかるし、うまくできないし、親がしたほうが何倍も早くスムーズにできることでしょう。でも、子どもがしていることを途中で止めること、最初から全て手伝ってしまうこともよくありません。「自分でできるところまで(最後まで)やってみる」という経験が自信につながります。

 

1・2・3歳にできる生活習慣は?

生活習慣と一言で言っても、大きなものから小さなものまでさまざまあります。1・2・3歳の子どもができる代表的なものを紹介します。

 

食事

食事は1日3回と1~2回のおやつの時間があります。例えば、1歳からできる食事の生活習慣は「いただきます」と言うことからスタートし、自分で手づかみ(スプーン)で食べる、タオルで口をふく、「ごちそうさま」をするという4ステップです。

 

これに付け加えて2~3歳ごろになると、自分や家族のお箸や食器を運ぶ、テーブルを拭く、使ったタオルをたたんでみるなどもチャレンジできるようになってきます。

 

歯磨き

歯が生えてきたら口の中をガーゼで拭くところからスタートし、上下2本ずつ生えそろってきたら歯ブラシを使った歯磨きがそろそろスタートします。湯冷ましや水を飲んで口の中がスッキリする感覚を感じさせることも大切です。

 

最初はママがメインでの歯磨きですが、年齢が上がるごとに磨き方を教えて自分でも上手に磨けるようになってきます。「食後は歯磨きをする」ことを伝えていきましょう。

 

着替え

起きたときにパジャマから服に着替え、寝るときにパジャマに着替えることは、生活の切り替わりにおいて大切なこと。1歳ごろはまず、靴下などの簡単なものを脱ぐことからスタートしましょう。年齢が上がるごとに、ママの手を借りながら服を着て、自分である程度着られるようになります。

 

トイレ

1歳ごろはまず「トイレやおまるに座る」からスタートです。このときは「おしっこを出させる」ことよりも「座ることに慣れる」をメインにします。トイレに座ることに慣れたら、起きたとき、お出かけ前、外から帰ってきたとき、寝る前など、家の生活リズムに合わせながら徐々にトイレに行く習慣を取り入れます。

 

早寝早起き

「夜は9時台に布団に入る」「朝は7時に起きる」など、寝て起きることは生活習慣の要。1日の最初と最後のリズムを整えることで、その他の生活習慣も整ってきます。

 

一度にこれら全てができるようになるわけではありません。子どもの成長発達を見ながら、少しずつできることを増やしていきましょう。

 

1・2・3歳への声かけ方法

各年齢によって声をかけるときのポイントが違います。

 

・1歳ごろ
1歳ごろの子どもにはくり返し伝えます。まだ長い間記憶しておくことができないので、毎日毎日伝えるようにしましょう。1歳のときに「生活習慣を身につけさせる!」と強く思わず、楽しい雰囲気で取り組めるといいですね。

 

・2歳ごろ
短い言葉で伝えます。大人の言っている言葉が分かり始めているので「しっかり伝えなくちゃ」と思ってしまいますが、まだ長い文章で言っても伝わりません。「出かけるから、トイレに行くよ」「ご飯食べるから、手を洗うよ」など、簡潔な言葉に言い換えましょう。

 

・3歳ごろ
「次に何をすればいいか」という生活習慣のリズムが徐々に分かってきます。外から帰ったら自分から洗面所に向かったり、蛇口も自分で開け、ハンドソープも自分で押して、手を洗って、タオルで拭くという「手洗い」を一通り自分でできるようになったりします。自主的にできているときはそばで見守り、できないときやしないとき、ダメなことをしたときに簡潔な言葉で伝えるようにしましょう。

 

1歳でできていたことが、イヤイヤ期になって突然しなくなったりすることもあります。例えば、靴下を自分ではけていたのに「はけない!」と言ったり……。そんな姿が見られるときの多くは「ママに甘えたい」気持ちの表れです。「自分ではけるでしょ!」と無理にさせようとするのではなく、「じゃあ、右足はママがはかせるね。左足は〇〇ちゃんがはいてね」と言ってもいいですし、全面的に「ママがはかせてあげる!」と、たまには甘えさせてOKです。

 

お手本はパパとママ

生活習慣の見本は何と言ってもパパとママ。子どもはパパとママのことが大好きなので、2人をよく見ています。子どものお手本だと思って、これまでよりも意識的に手洗い、歯磨き、トイレ、食事などをしてみてください。このときに、子どもも一緒にできるといいですね。食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」も、いつもは何気なくしているかもしれませんが、子どもも一緒にすると思うと意識が変わります。子どもに「パパとママと一緒にできた」という経験をたくさん積み上げさせて、楽しい雰囲気から自信につなげていきましょう。

 

 

生活習慣は、教えてすぐできるようになるものではありません。小さなときからできる範囲で少しずつ伝えているうちに、いつの間にか「習慣になってきたな」と感じることです。焦らず、子どものペースで進めていけるといいですね。

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    保育士中田馨
    一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長

    0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

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