臨月に入ったある日、突然亡くなったわが子。悲しみを乗り越えて…

2020/02/29 17:00
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この記事では、妊娠10カ月でおなかの赤ちゃんを亡くし、不育症の診断を受けた先輩ママの体験談をお伝えします。
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現在、生後8カ月になる娘の子育て中です。この子には姉がいました。結婚3年目でやっと授かった子どもは妊娠10カ月のときにおなかで突然亡くなり、不育症の診断を受けました。子どもの死を経験し、そこから這い上がって無事出産するまでの体験談です。

 

子どものことよりも仕事を優先してしまう自分

結婚後、私はすぐに子どもが欲しいと思っていましたが、夫は妊活にあまり積極的ではありませんでした。お互いの考え方やタイミングが合わなかったこともあり、子どもを授かったのは結婚して3年後のことでした。

 

妊娠中はおなかの子どものことよりも仕事を優先してしまう自分がいました。職場で貧血で倒れることや、おなかが張ることがありましたが、「これくらい大丈夫」とおなかの子どもに言い聞かせていました。

 

職場の先輩が「ひとりの体じゃないんだよ」と声を掛けてくれても、妊娠の経過が順調だったこともあり、大分無理をしていたと思います。

 

胎動が感じられない

臨月に入ったある日、おなかが張ったかと思うと、それから胎動を感じなくなったような気がしました。不安な気持ちのまま誰にも相談することができず、一晩過ごしました。そして、次の日の朝、かかりつけの個人病院の診療時間が始まるのを待って受診しました。

 

病院の診察台の上に横になったときには、すでにおなかの子どもの心臓は動いていませんでした。原因不明の突然死でした。私は事態を受け入れる間もなくそのまま市内の総合病院に運ばれ、陣痛促進剤とバルーンで陣痛を誘発して3日後、赤ちゃんを出産しました。

 

心も体も回復できないまま…

医者からおなかの子どものことは説明されていたのに、産んだら本当は生きているんじゃないかと出産するそのときまで私はどこかで期待していました。そして、動かない自分の子どもと対面するまで、私はひどい夢を見ているんだと思っていました。

 

現実を受け入れられないまま退院し、子どもの埋葬を済ませ、夫は仕事に戻っていきました。空っぽのおなかと残酷な現実に、私は何のために食べるのかわからなくなりました。そして、子どもと幸せそうに過ごす友だちを見るのがつらくて、部屋に引きこもっていました。体は軽くなったはずなのになぜか鉛のように重いのが不思議でした。

 

それでも仕事は待ってはくれませんでした。心も体もまったく回復していないのに、産休はあっという間に終わってしまったのです。1日のうちに気持ちがジェットコースターのように上がったり下がったりを繰り返し、自分の気持ちをコントロールすることがとても難しく思いました。仕事の帰り道、「ああ、こうやってうつになっていくのかな」とふと考えることもありました。目の前の仕事をこなし、忙しさに身を任せていたら月日は勝手に過ぎていきました。

 

2人目の妊娠

もう一度、子どもが欲しいと思えるまで1年かかりました。友だちの何気ない言葉に励まされ、妊娠する決心ができました。子どもの死を経験するまでは、妊娠して出産するのは当たり前にできることだと思っていましたが、2人目の妊娠中は出産するそのときまでずっと不安がついてまわりました。

 

赤ちゃんの産声を聞いた瞬間は、感動し過ぎて涙は出ませんでした。前回の出産のときに全部流しきってしまったのかもしれません。出産は大変だけど、こんなに愛おしい気持ちになれるから、みんな頑張れるんだと思いました。温かく、必死に生きている赤ちゃんを見て、お姉ちゃんの分まで大切に育てようと心に決めました。

 

 

1人目のときも2人目のときも妊娠経過は順調で、今でも何が原因で亡くなったのか、どうして2人目の子は元気に生まれてきてくれたのか自分でもわかりません。それぞれの運命だったとしか……。ただ私が言えるのは子どもを亡くしたときにそこで諦めて立ち止まっていたら、今の子どもには一生会うことはなかったということです。つらいときは気持ちも目の前も真っ暗でしたが、自分の子どもを見たとき、自分はこの子に会うために生まれてきたんだと思えるくらい素晴らしい気持ちになりました。命の大切さ、命があることに感謝することの大切さを教えてくれたこのできごとは、私には必要な経験だったのかもしれません。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 


著者:八代 華

8カ月の娘と育休消化中。


  • 私も初産の臨月で、予定日過ぎに原因不明の子宮内胎児死亡を経験しました。病院でみた時には心臓が止まった状態であまりのショックで涙は全く出ず頭が真っ白になりめまいがしました。
    三階の個人部屋に入院し、無駄にペタンコになったお腹を見る度この窓から飛び降りたら…と何度も頭をよぎりました。家族達が私を1人にしないでくれたお陰で窓際に行くこともありませんでしたが、悪阻も乗り越え私が大事に過ごしてきた10ヶ月がとても無意味な物に思えてきて、生きている事が本当に辛かったです。
    沢山の揃えたベビーグッズも捨てる事など出来ず、そのまま目につかない所にしまっていました。

    その後気持ちも落ち着いてきた頃からまた妊娠に
    前向きに過ごしてきましたが、、気づいたら4年の月日が流れていました。そして婦人科に通院し不妊治療を経て妊娠し、年齢の事もあり不安も大きかったので大学病院に転院しました。現在までの経過を理解してもらい、予定日を超えることに不安があったので出産は計画分娩をさせてもらいました。検診の度に『ちゃんと育ってる』『今日もしっかり動いてた』その積み重ねで、『あともう少し、あともう少し…』と不安な気持ちを支えるように毎日過ごしました。
    我が子の顔を見たら号泣してしまうんじゃないかと思っていましたが、私も夫も涙は全く出ずにただただ『無事生まれてよかった』『大きな産声が聞こえた』とただただ安堵と感動に包まれていました。
    共に悲しみを経験し二人だけで過ごしていくことも視野に入れながら楽しく生活していましたが、家族が増えた今、我が子は私達に沢山の笑顔と幸せをもたらしてくれています。
    初産では出産の記録で止まった母子手帳ですが、現在は出産後も検診や予防接種の記録が1つずつ増えていっています。私にとっては宝物のような我が子の成長記録です。
    私達の元に来てくれた2人の我が子から命の尊さと愛おしさを沢山教えてもらいました。

    2020/03/01 08:09

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