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パパの自覚が薄い人こそ妊婦健診へ!ー『ママやめ』監督が語る子育て【前編】

多くのママが共感し、涙したドキュメンタリー映画『ママをやめてもいいですか!?』の豪田トモ監督に、子育てをハッピーにするヒントを聞きました。前後編でお届けします。

ママをやめてもいいですか!?豪田監督

 

育児中のママなら一度は思う「ママをやめてもいいですか!?」という気持ち。ママたちが日々感じるモヤモヤを共感たっぷりに描いたドキュメンタリー映画『ママをやめてもいいですか!?』が、全国の映画館で公開中です。自身も一女のパパであり、命と家族をテーマに映画を撮り続けてきた豪田トモ監督に、子育てをハッピーにするヒントを聞きました。前後編でお届けします。

 

「父親の自覚」は妊娠中から積み立てていく

ママをやめてもいいですか!?豪田監督

 

――映画の冒頭では、夜泣きする赤ちゃんを必死にあやすママの横で熟睡するパパの姿が映し出されます。多くのケースで、子どもの泣き声に敏感なのはママ。親の自覚に男女差を感じてしまうのはなぜでしょうか?

 

「全員とは言いませんが、妊娠しておなかの中で赤ちゃんを育てる女性は、身体的な変化から、出産までに母親になる自覚が芽生えていきます。だけど男性は身体的には何も変わらないままだから、自分が親になるという実感を持ちにくいことが多いようなんですよね。赤ちゃんが生まれた瞬間は……正直、親になったという自覚よりも〝ふわふわした気持ち〟のほうが強いようです。

 

父親の自覚がぼんやりしたままだと、生活スタイルを変えようとは思えないですよね。そうするとママはワンオペ育児状態になり、どんどん追い詰められて産後うつの一因になることもあります。

 

パパは身体的な自覚が持てないからこそ、意識的に“パパボリューム”を上げていく必要があると思います。子どもが生まれたら、飲み会を減らしたり家族で過ごす時間を増やしたりして今までの自分を捨てて、“子どものいる家庭を持つ生活”に変えていかないといけません。

 

奥さんが妊娠中の人には、僕は必ず妊婦健診には付き添うようにと言っていますね。エコーでおなかの中の赤ちゃんの様子を見たり、医師の話を聞いたり、はたまた、妊婦さんに必要な散歩などに付き合ったり、一緒に名前を考えたり、おなかの赤ちゃんの話をしたりしているうちに、少しずつパパになる気持ちが芽生えてくる。出産という“よく分からない領域”にあえて向き合うことで、父親になる意識を積み立てていくイメージです」

 

男女のコミュニケーションの違いがすれ違いを生む!?

ママをやめてもいいですか!?豪田監督

 

――映画の中では、「外で働いて生活費を稼ぐのも、育児の役割の一つじゃないか」というパパの言い分も出てきます。

 

「試写会でもこのシーンで「よくぞ言ってくれた!」と、ほくそ笑んでいるパパは多かったです(笑)。ただ、そういうパパには申し訳ありませんが、仕事をして稼いでいれば子育てをしなくていいかというと全くそんなことはない。子育てというのは、二人が全力を出してちょうどいいくらい。そのくらい育児は大変だし、その負担は長い期間をかけて知らず知らずのうちに子どもにのし掛かっていきます。自分は働いているからママに育児家事は任せていいでしょう、という主張は通りません。

 

たくさんのママたちに話を聞いてみると、いくら収入があってもパパが家族に向き合っていないと、パートナーとしての満足感は低い傾向にありました。仕事で忙しいパパでも、“できるだけ一緒にいる時間をつくる”“ママの話を聞く”“愛情や感謝を表現する”ことは必要。話し合うことで、子育ての当事者意識は強くなります」

 

――ママとパパが育児について話し合うシーンでは、意見がすれ違ったりもめていたり。思わず共感して笑ってしまいました。

 

「子育てについてじっくり話し合う機会って、実はあまりないこと。だから、本当は話をしたいママが、聞いてもらえないことでイライラを募らせて爆発するってことが、よくあります。スマホのメッセージでもいいから、こまめに会話ができると変わってくるかもしれません。それから、話がかみ合わないのは男女のコミュニケーションの違いもあるんじゃないかな。

 

男性は“結果主義”で、女性は“経過主義”の傾向があると言われています。そもそも、会話の目的、目指している方向が違うんです。ママは今日あった出来事を話したい。でもパパは結論が欲しい。だから、『その話、オチはないの?』なんて言ったり、『それは○○すればいいんじゃない?』と求められもしないアドバイス(これも「結果」なんです)をしたりして怒らせてしまう。そこはただ共感して聞いてほしいだけなのにと、ママ側は思うわけです。お互いに違いがあることを理解すると、コミュニケーションが取りやすくなるのではないでしょうか。

 

だからママのほうもパパに話をするときは、『○○のことで相談があるんだけど……』と結論や結果から切り出すとスムーズかもしれませんね」

 

コロナ騒動でオンライン上映を決定。署名活動も

ママやめ豪田監督

 

――映画『ママやめ』は、子育てに奮闘するママのストレートな気持ちを、大泉洋さんのナレーションに乗って明るく伝えています。夫婦の話し合いのきっかけになりそうですね。

 

「上映期間と新型コロナウイルス騒動が重なってしまい、映画館に足を運びにくい状況になってしまいました。そこで公開初日に期間限定で、オンラインとの同時上映を決定(※)。自宅でパパと一緒に見ることができて、映画に自分の気持ちを代弁してもらうことができたという感想をたくさんいただきました。

 

その一方で、僕は時々“ママやめ”することも必要だと思っていて。だからあえて、子どもから離れる時間をつくって、映画館に来てもらうっていう選択も歓迎しています。泣いて笑って、心の充電をしてもらえたらうれしいですね」

 

※オンライン上映は2020年3月13日で終了しましたが、1,000名の署名が集まったら、2020年5月の数週間再上映をすることを検討中。

 

 

「父親の自覚を持つためにパパも妊婦健診に付き添うなど意識的に“パパボリューム”を上げていく」「女性はプロセスが大切で、男性は結果主義の傾向があるのでお互いに違いがあることを理解する」という豪田監督による育児のヒントに納得した方は多いのではないでしょうか? 『ママをやめてもいいですか!?』をきっかけに、夫婦で子育てについて話し合ってみていかがでしょうか。

 

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