ママ友の子どもに泣かされてばかり
長男のTくんが生まれ、児童館で仲良しのママ友グループができたMさん。みんな子どもが同い年で、家を行ったり来たりする仲になりました。
そのなかの1人、ママ友Aさんの息子Bくんは、気に入らないことがあると叩いたり飛びかかってきたりと少し乱暴なタイプ。母親であるAさんは「叩いちゃダメよ」とは言うものの、子どもをきちんと監督して叱るようなタイプではなく、おとなしいTくんはよくBくんに泣かされていたと言います。
一生傷跡の残る大けがをさせられて
そんなある日、Aさん親子と公園で遊んでいたとき、BくんとのトラブルでTくんは1mほどの高さから落ちて、頭をざっくりと切る大けがをしてしまったそうです。すぐに救急車を呼び、医療用ホチキスで傷跡を止めて、CT検査の結果、大事には至りませんでしたが、一生傷跡が残ることに……。
それ以来、TくんはBくんに対して苦手意識を持つようになり、あまり遊びたがらなくなりました。それでも家が近所で、子ども同士は小学校が同じ学区ということもあり、今まで通りにママ友グループでお付き合いを続けていたMさん。Aさんに対してはこの事件がきっかけで、もっとわが子のことを注意深く見てくれるだろうという期待もありました。
しかし、それから数カ月経ったある日、今度はおもちゃの取り合いがきっかけで、Bくんに大きなプラスチック製の椅子で顔を殴打される事態に。それを見ていたMさんは慌てて止めに入りましたが、ほんの一瞬間に合わず、Tくんは目の上をざっくりと切り、またしても病院へ行くことになりました。
誰のためのママ友なのか?
このままではいけないと考えたMさんは、Aさんに対して、2度もけがをさせられたことと、今後のBくんへの関わりについて、きちんと話をしようとしました。ところが、Mさんがけがをさせられたのは2度目であることを切り出すと、「そういえばそんなこともあったね。またやっちゃった〜」と、他人事のような軽い答えが返ってきたのです。
Aさんとはいくら話したところでわかりあえないと悟り、わが子を守るためにも距離を置くことに決めたMさん。今となっては「子どものために一緒に遊んでいたはずが、いつの間にか子どもを犠牲にしていたことに気づいた」と考えているそう。Bくんと会うことがなくなってもTくん自身は気にした様子もなく、ほかの気の合う友だちとのびのび遊んでいるといいます。
乱暴なことをしてしまう子は少なからずいます。ですが、親の目の前で2度も大けがをさせてしまうとは、子ども自身というより、親にも問題があるような気がしてしまいますね。ママ友との付き合い方について考えさせられるエピソードでした。
イラストレーター/さくら
監修/助産師 松田玲子
一児の男の子を育てるワーキングマザー。病気ネタやママ友ネタなど、ペンネームでリアルな体験談を執筆中。
だってまず子どもを守れるのは親だから。
距離を置くと言う、身の守り方を教えるんです。
乱暴な人達の中で鍛えたいなら、そうすればいいと思いますし、そういう考え方の人もいるのは理解しています。
でも、自分の子には必要のない怪我をさせたくありません。些細なことでも命に関わることもあるので、筆者さんのように考え、行動する方が多いかと思います。
乱暴でなくなってきたら、一緒に遊べばいいだけなので。三つ子の魂百までというのもよく表していると思いますが。
でもその時に幼児教室の先生に強く指導されたのは絶対ケガさせないと言う覚悟でした。
やる方もやられる方も、絶対怪我を防ぐ意識です。ケンカになりそうな瞬間や、やらかしそうな雰囲気は観察していれば絶対察知できます。
2人で同じおもちゃを取り合いそうになったらさっと2人の間に割って入ったりすれば手を振り上げた時など身体を張ってでも静止できます。特に3歳くらいまでは必ずそういった怪我をさせない意識が双方に必要です。Aさんに叱ってほしいことを期待するより、Mさんも身を呈して我が子を守る意識がかけてたのでは、と思います。子供2人とも乱暴なので、相手をケガさせないように常に気を張ってますし、逆に相手の子も手が出るタイプなら、ケガさせないようにピタっとそばについて我が子を守ります。
そういう姿勢があるからこそ、子供はケガさせちゃいけないことを学びますし、大きくなるにつれて手を出さずに言葉でケンカできるようになってくることを実感してます。
付き合いを断つことは簡単ですが、それでは乱暴な子から身を守る方法も学べないですし、私の場合は仲良くしたい友達でもあったからこそ親子で試行錯誤して人付き合いを学んでます。