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乳幼児期は虫歯の進行が早い!早期発見&早期処置で健康な歯を守ろう

歯が生え始める時期には個人差がありますが、だいたい生後6カ月~9カ月のころが多く、2~3歳ですべての乳歯が生え揃います。歯が生えると心配になるのが虫歯。今回は、小児歯科医の川越じゅん奈先生に乳幼児期の虫歯予防や治療についてお話を伺いました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師川越じゅん奈 先生
原宿こども歯科院長

平成16年岩手医科大学卒業後、赤ちゃん子供歯科、こばやし歯科クリニック、あーす歯科勤務の後、平成27年に原宿こども歯科を開業。怖くない、また来たくなるような場所となることをモットーに、日々治療を行っている。院内は赤ちゃんの時からご家族で心の負担なく通えるよう幸せ感たっぷりな空間や仕掛け用意するなど、楽しめる歯医者を目指している。
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子ども 虫歯

 

乳歯から永久歯への生え変わりは、5歳前後から始まり14歳ごろに完了します。それまでの乳歯も、健康な状態をキープしておきたいものです。でも、多くの子どもは歯磨きが大嫌い! しっかり磨けないと虫歯に!? なんてことも。

 

そこで今回は、小児歯科医の川越じゅん奈先生に乳幼児期の虫歯予防や治療についてお話を伺いました。大切な子どもの歯が虫歯にならないための注意点や治療について紹介していきます。

 

虫歯の原因は、糖分とミュータント菌

虫歯 糖分

 

乳歯が生え始めると、虫歯の原因となるミュータンス連鎖球菌が常在菌として成育し始めます。ミュータンス連鎖球菌は糖分を利用して酸を作り、歯の表面にあるエナメル質を溶かしていきます。これが虫歯です。特に乳歯はエナメル質が薄く、歯が軟らかいため虫歯になりやすく、生え始めの時期にも虫歯になりやすいという特徴があります。

 

大切なのは、口の中に糖分を残さないこと。まだ、砂糖の入ったお菓子を与えていないから大丈夫と、安心はできません。糖というのは砂糖だけではなく、炭水化物(お米やパンなど)やミルク、イオン飲料や果物にも入っています。砂糖が含まれたお菓子を食べ始める時期はもちろん、乳児のうちから口の中に食べカスやミルクが残らないようしっかり歯磨きをしてあげることが大切です。

 

虫歯の進行状況によって変わる歯の治療方法

子ども 虫歯2

 

1歳半や2歳の乳児歯科検診で虫歯が見つかったり、子どもが痛みを訴えてきたときは、すぐに受診が必要です。その治療は、虫歯の進行状態によって変わってきます。

※下記の状態は、虫歯の進行順に記載しています。

 

●歯の表面が白濁したり、噛む面の溝が茶色になっている
歯の表面が白濁している状態は、通常の歯より白く表面がザラザラした感じで、光沢がないのが特徴。虫歯になった原因(歯磨きの仕方、お菓子や食事内容など)を改善することで自然回復するケースが多く、フッ素の塗布などの予防処置も効果的になります。

 

●表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯
表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯は穴が開いた部分を詰める治療をおこないます。また、象牙質まで到達している場合、乳歯が近いのでその後も安心はできません。生活習慣の改善が必要となります。

 

●歯髄まで進んだ虫歯
神経の根の治療をして、穴の大きさにより、穴を埋めたり、銀の冠をかぶせたりします。

 

●歯が欠けていき根だけになってしまった虫歯
神経を取るなど根の治療をして銀の冠をかぶせるか、保存できない場合は歯を抜きます。

 

大人の虫歯治療と少し異なる点

虫歯の治療は、ほぼ大人と変わりませんが、子どもの虫歯治療で少し異なる面があります。虫歯は自然に治らないので、虫歯部分や根っこまで治療して完治させます。1~2歳ごろの子どもの場合は、徹底した治療が難しいので虫歯の進行を止める薬を塗るだけにとどめておくケースが多々あります。虫歯は完治しませんが、進行を防ぎ、隣り合う歯に虫歯が広がるのを防ぐのにも役立ちます。

 

0歳から歯科医院に通っていると、クリニックで場慣れをしているため、例えハードルの高い治療でも、ママの心構えも準備できています。そのため、子どもも治療を受けやすくなります。極力麻酔は使わない治療を当院ではおこなっておりますが、どうしても必要な場合、抑制治療をおこなうこともありますので、前後のコミュニケーションが大切になってきます。うっかり大きな虫歯を作る前の、何もトラブルのないときからの歯の磨き方や、クリーニングをするための通院をおすすめします。
 

また、乳歯と永久歯とでは虫歯治療の方法が異なりますので、治療の際は小児歯科治療に長けた歯医者さんを受診するのが安心です。

 

虫歯予防に欠かせない歯磨き習慣

親子 歯磨き

 

虫歯予防の第一は歯磨き! それと同時に食生活や生活習慣の改善の大切なポイントを紹介します。

 

●おやつの時間を決める
食べ物を口に入れることで口内は酸性へと傾きますが、唾液の働きにより中和され、食後30分ほどで元の状態へと戻ります。また、唾液には酸で溶けた歯を修復する働きも備わっています。この唾液の機能を十分に発揮させるために、食事と食事の間隔を十分に空け、決められた時間以外にはダラダラと食べないこと。

 

●歯に詰まりにくい食品を選ぶ
歯にとどまる時間が長いほど、虫歯になる可能性が高くなります。歯に詰まりにくく、短時間で食べられる食品を選ぶ。

 

●虫歯菌の餌となる砂糖菓子は避ける
砂糖が含まれている食品は避ける。砂糖の代わりにキシリトールを使用した食品を選ぶ。おせんべい、果物、きのこなどが比較的虫歯になりにくい食品だと言われています。

 

●食後にお茶を飲ませる
お茶の中には、フッ化物やカテキン(抗菌作用)が含まれ、虫歯予防におすすめ。ただ、緑茶にはカフェインも含まれるので、水分補給は水や麦茶で、食後にだけお茶を飲む習慣をつけると良いでしょう。

※緑茶はカフェインを含んでいます。1歳未満の子どもにはカフェインの入っていない麦茶を与えるようにしましょう。

 

下の前歯が生えたら受診しましょう

エナメル質の薄い子どもの虫歯は進行が早く、痛みを訴えたときには、すでに虫歯がかなり進行しているケースがかなりあります。歯の治療は、大人だって痛くて苦手なものです。まして、子どもはもっと苦手。そのためにも定期的な歯科健診によって虫歯の予防や早期発見が不可欠です。

 

多くの自治体では、子どもが1歳半と3歳ごろに歯科健診がおこなわれますが、子どもの口の中を見て下の前歯が生えてきたと思ったら、歯科医院を受診すると良いでしょう。虫歯になるリスクは歯が生えたときから発生します。歯が生えそろっていないときの歯磨きは、歯が全部そろっているときと磨き方が異なるため、正しい磨き方を身につけることが大切です。

 

また、1歳半ごろからを目安に、歯医者さんで歯質を強化させるフッ素の塗布を4、5カ月に1回ほどの頻度でしてもらうのがおすすめです。虫歯でいきなり怖い治療を始めるより、虫歯のない状態で受診して雰囲気や環境に慣れておくことがとても重要です。

 


虫歯の治療は、子どもにとって大きな負担となります。1歳半ごろから健診へ行き、虫歯の早期治療やフッ素の塗布による予防処置を。また、同時に食生活や生活習慣を整えて、虫歯のない健康な歯を守りましょう。

 

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著者:井上 裕紀子

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