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「え、これで窒息するの!?」家の中で起こる、赤ちゃんの思わぬ事故に要注意!【3児ママ小児科医】

こんにちは、3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。今回は、子どもの安全対策について。家の中で気をつけたいことを私の体験談を踏まえて、お話ししたいと思います。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師保田典子 先生
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
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子どもの死亡原因

1歳以降の子どもの死亡の大きな原因の1つ、「不慮の事故」。実際には、動きが活発になってくる生後9カ月ごろから、赤ちゃんはさまざまな危険に自ら突っこんでいくことが多くなっていきます。

子どもから1秒たりとも目を離さない、というのは不可能なので、子どもの事故は多かれ少なかれ必ず起こります。ポイントは、「命の危険がない事故にするという工夫」です。

 

家の中で気をつけたい、命に危険が及ぶような事故とは、溺水、やけど、窒息が多いかなと思います。転倒で頭を強くぶつけることにも気をつけたいですね。今回は「やけど」と「誤嚥、誤飲」のお話です。

 

危ない事故1:やけど

やけどもいろいろありますが、気をつけたいのは広範囲のやけどになるようなものです。やかん、お味噌汁、炊飯器の蒸気などには、特に気をつけましょう。

 

電気ケトルの転倒事故が多い

よく拝見するのは、電気ケトルが倒れて大やけどをしている症例です。ケトルは転倒してフタがガバッと開いてしまうものがあります。これから買う予定のある方は、転倒対策がしてあるケトルを購入することをおすすめします。

 

使用後は、手の届かないところへ

ケトルにしても、お鍋などにしても、使っているときに目を離さないのもそうですが、調理が終わったらコンロの奥に置くようにしています。奥に置いておけば、万が一倒れたときも頭から熱湯をかぶることはないからです。(もちろん、ケトルのお湯はすぐ使い切る、お鍋や揚げ物油もすぐお皿などに移すのが基本です)。

 

テーブル下に引っ張れるテーブルクロスは使用しない

ダイニングでは、お味噌汁やスープなどをかぶるおそれがあるので、下から引っ張れるテーブルクロスの使用は避けましょう。わが家ではランチョンマットを使用しています(ランチョンマットも手が届けば引っ張ってしまうのですが、うちはみんな猫舌でぬるいスープしか出さなかったので使っていました)。

 

危ない事故2:誤嚥、誤飲

誤嚥、誤飲もよくある事故です。まだ1人目の子どもが0歳のとき、お菓子のプラ袋のカケラを食べて、喉にくっついてしまって、オエオエさせてしまったことがあります……。すごく苦しそうで反省したにもかかわらず、2人目でも同じことをやってしまって、反省しました。

 

約4cm以下の物は誤飲の可能性がある

母子健康手帳にも書いてありますが、約4cm大の物は赤ちゃんの口を通ってしまいます。これは、トイレットペーパーの芯とほぼ同じ大きさです。ペットボトルのフタで窒息してしまったという事故もよく聞きます。電池など誤飲すると危険な物を中心に対策していきましょう。

 

ツルッとした食べ物の誤嚥

食べ物で誤嚥(ごえん:気管支に入ってしまうこと)に気をつけたいものは、こんにゃくゼリーやミニトマト、ぶどうなどツルッとしたものです。ミニトマトやフルーツは薄皮を剥いて刻むなどして小さく切ってから食べさせるようにしましょう。

 

気をつけたいタバコの誤飲

喫煙率の低下とともに事故の頻度も減ってきましたが、タバコを食べてしまったというお子さんがよく受診されます。タバコを吸ったらすぐに捨てるなどし、まだ吸っていないタバコは引き出しの中など、絶対に子どもの手が届かない場所にしまう習慣をつけましょう。
また、缶などの容器に水を入れてタバコを消火する親御さんがいますが、タバコが溶けた水を誤飲した場合、命に関わるので絶対にやめましょう。

 

安全対策のポイントを決めて、完璧を目指さない

1歳弱から3歳未満までの赤ちゃんは、危険意識がないわりに行動力はすごくあるので、事故を経験しない子はいないくらい安全対策は大変です。

 

「今はハイハイしかしていないからテーブルの上なら安全」ということはありません。ハイハイしかしていなくても何かを踏み台にして登ってしまうこともありますし、昨日できなかったことが今日できるようになって事故につながる、ということもあります。

 

子どもの周りは危険がいっぱいですが、何でも安全にしてしまうと危機管理能力も育たないと考えています。子どもに自分で失敗しながら学んでほしいので、大怪我や危険な事故の可能性を予防しつつ、命に関わらないものは、ある程度「しょうがない」と腹をくくって子育てしています。完璧は目指しませんでした。子ども自身にさまざまな体験をさせて学んでもらいながら、親も子も成長していけるといいなと思っています。

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