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1歳からのお友だちトラブル解決!順番を守らない、守ってもらえないとき

保育士の中田馨さんが、1歳からのお友だちトラブル対処法を教えてくれました。今回は「順番を守らない、守ってもらえないとき」です。1~2歳の子どもがお友だちとかかわるときの「順番」について詳しく解説します!

滑り台で遊ぶ親子のイメージ

 

こんにちは、保育士の中田馨です。1歳を過ぎると公園などで友だちと関わることが少しずつ増えてきます。お友だちとのかかわりの中で、必ずあるのが「順番」です。今回は1~2歳の子どもがお友だちとかかわるときの「順番」について話します。

 

集団行動ができるのはまだ先

1~2歳になると、公園などでのお友だちとのかかわりが気になるのではないでしょうか? すべり台などの遊具で、自分の子どもがお友だちを抜かして、階段を上って行ってしまうと、つい「順番守って!」と言ってしまいますが、子どもは素知らぬ顔。こんな様子だとママも心配になってしまうと思います。

 

実は、この年代の子どもたちは、まだ集団で遊ぶことが苦手です。お友だちと一緒に砂山を作って遊ぶというよりも、それぞれが自分のしたい遊びを自由に過ごすのが楽しい時期。砂場でひとりがスコップで遊んでいると、隣の子もスコップを使い出すかもしれませんが、一緒に遊ぶわけではなく並行遊びをしているという段階です。

 

なので、ママから「順番よ!」と言われても、「イヤ!」と反発します。この時期に「順番を守る」という集団行動ができると思ってはいけません。今はまだ「順番っていうものがある」ことを知っていく時期なのです。
 

子どもが順番を守らないときしてはダメなこと

この時期の子どもが、お友だちとのかかわりの中で順番を守らなかったときに「順番を守りなさい!」と強く言う必要はありません。ここで、保育所での例を紹介します。

 

Aちゃんが遊んでいるおままごとをBちゃんも遊びたくなりました。Aちゃんが遊び終わったらBちゃんが遊べるというのが大人の常識ですよね。なので、Bちゃんが奪い取ろうとしたら、「ダメ! 順番よ!」と声をかけるかもしれません。でも、ここでBちゃんに強く「順番を守りなさい!」としかる必要はありませんし、Aちゃんに「Bちゃんが待っているから遊びを終わらせなさい」と言う必要もありません。

 

それは「順番」という言葉を伝える前に伝えてほしい言葉かけがあるからです。
 

 

子どもが順番を守らないときにしてほしいこと

子どもが遊びをしているときの気持ちは、「楽しすぎる! 遊びたい!」なのです。この時期は好奇心旺盛で、興味を持ったものに対して突進していきます。ですので、「順番」と言われても「なんだ、それ?」なのです。「順番」という言葉の意味がなんとなく分かってきたとしても「遊びたい!」が勝るので、行動が伴わないことが多いです。

 

そんな子どもたちに、ただ「順番を守りなさい!」としかるのでは効果がありません。ですので、保育士は「順番」という言葉はほとんど使いません。お友だちのおもちゃを取ったときは体で受け止め、「おもちゃが欲しかったんだね。でもね、取ったらAちゃんが悲しいよ」と、Bちゃんの遊びたかった気持ちとAちゃんの取られた気持ちを代弁するのです。そして「Aちゃんが遊び終わったら、貸してもらおうね」と伝えて待つのです。

 

「順番」という言葉は具体的ではありませんので、子どもに伝えるときは、今2人の気持ちの中で何が起こっているのかを簡単な言葉で伝えます。それを繰り返していくうちに「順番」が身についてきます。

 

お友だちが順番を守らないときはどうすればいい?

もし、お友だちが順番を守らなかったときはどうすればいいか?
 

基本の対応は自分の子どもが順番を守らなかったときと同じです。お友だちがしたかったことへの気持ちと自分の子どもの気持ちを代弁します。お友だちがおもちゃの順番を待っているのに、自分の子がなかなかおもちゃを渡すことができなかったら、「早く貸したらいいのに!」と焦ってしまうでしょう。でも、焦る必要はありません。

 

子どもは「次に待っている子がいる」ことはやり取りの中で分かっています。ママは子どもの遊びを見守りながら待てばいいのです。お友だちのママの存在が気になって、焦って「早く貸しなさい!」なんて言葉にすると、子どもも意地になって「イヤ!」と反発してしまいます。


 

自分の気持ちをコントロールしながら集団の中で遊ぶようになるには、まだまだ時間がかかります。「順番を守るのよ!」と言えばすぐにできるようになるわけではありません。今は、友だちとの衝突も経験しながら、「順番」というルールを知っていく時期なのです。

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    保育士中田馨
    一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長

    0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

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