前回は百貨店や旅行代理店の積立や金・プラチナの積立をご紹介しました。
今回は、金融機関で行える積立をご紹介します。かんたんな内容のご紹介ですので、気になるものがありましたら、金融機関の窓口やホームページなどでしっかり確認をしてください。
1.積立タイプの預金
銀行や信用金庫等での取り扱いがあり、“積立預金”、“自動積立貯金”、“積立定期預金”など、金融機関ごとに名称が異なります。また、取り扱いを中止している金融機関もあります。定期預金は自分のタイミングで、1年や3年などの期間を設定して、一定期間お金を預けるものですが、積立タイプの預金は、毎月決まった金額を一定期間積立するものです。
たとえば、毎月1万円を3年間積み立てて、3年後に積み立てた金額を受け取るか、継続して預けるかを改めて設定します。金利はほぼ0なので、利息は期待できませんが、安全に確実に貯めたい人に向いています。アメリカドルやユーロなどの外貨での積立ができる金融機関もあり、日本円より高い金利を設定していることも多いです。しかし、外貨の預金は、為替が上下するのに合わせて、預けた預金の資産価値が変わることをしっかり理解しましょう。
2.貯蓄性のある保険
貯蓄性のある保険はいくつか種類があります。“学資保険”、“養老保険”、“終身保険”が主なものですが、いずれも早期解約すると支払った保険料より目減りしてしまうことが多いのですが、一定期間や満期を迎えると支払った保険料を超える金額の払い戻しを受けることができます。
しかし、保険会社もマイナス金利の影響を受け、貯蓄性のある保険の販売を停止したり、保険料を上げたりしています。貯蓄性のある保険というだけで判断せず、どの時期にいくら貯まるかしっかり確認したうえで加入を検討するようにしましょう。
積立タイプの預金同様に外貨で積立できる保険もありますが、こちらも為替が上下するのに合わせて時価評価が変わることは覚えておきましょう。
3.株式や投資信託の積立
株式の積立は“るいとう”、投資信託の積立は“投信積立”、“ファンドるいとう”などという名称の仕組みが多いのですが、株式や投資信託を毎月決まった金額積み立てるものです。株式は証券会社で、投資信託は証券会社だけでなく、一部の銀行や信用金庫でも購入することができます。期間を設定せずに自分のタイミングで積立開始や、中断・終了時期を決めることができる点は、積立タイプの預金と異なります。
株式や投資信託は値動きがあるので、リスクを取りつつ、中長期運用することが前提のものですが、投資対象によって値動きする大きさが異なります。
一般的な投資信託は2016年6月現在で約5000種類ほどありますが、1年間で35%増えたり、30%減ったりしたものもあれば、毎年2%前後のプラスマイナスで推移するなど、いろいろな商品があります。地域や国、投資対象(株式や債券、不動産など)の特性や状況を確認したうえで、始めるようにしましょう。なお、投資信託についてはこちらの過去の記事も参考にしてください。
上記とは異なりますが、確定拠出年金や国民年金基金など、税制の優遇を受けながら、老後に備える制度も状況によっては検討してもいいと思います。マイナス金利の影響は、上記の積立にとっても、大きな影響を及ぼしています。
外国の為替や株式などで運用するものは、日本円の預金と比べると大きな値動きをすることがあります。値動きのあるものほどメリットと注意点をしっかり理解したうえで、無理のない範囲でご自身に合う積立を選ぶようにしてください。
※本記事は特定の商品や企業等を推奨するものではありません。ご自身の責任と判断において、積立を行うかどうかご検討ください
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。