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急に顔が真っ青になり、泡を吹いた娘…救急車を呼ぶべき!?パニックのなか夫婦で取った行動とは

私の育休が明け、1歳になったばかりの長女は保育園に通い始めました。そんなころ、ある日お風呂から出たばかりの長女が、真っ青になって息をしていません! 慌てた私たち夫婦がとった行動とは……。

娘の顔が突然真っ青に!

事件はお風呂上がりに起こりました。夫とお風呂に入っていた娘を迎えに行き、バスタオルでくるんで着替えさせようと座布団に置いたとき、娘の顔が突然真っ青になったのです! 口から泡を吹いて、意識がありません。呼吸もしていないようでした。「助けて、お父さん! すぐきて!」と慌てて夫を呼びました。

 

シャンプーで頭が泡だらけの夫が、腰にバスタオルを巻いてお風呂から飛び出してきました。「どうしたんや」と夫はすぐに娘を抱き上げました。「なんかがのどに詰まったんかもしれやん」。そう言うと、娘を逆さまにして背中をたたき出しました。私は怖くて体が震え、ただおろおろするばかり。すぐに娘は泣き出して、顔も赤みを帯びてきました。私に手を伸ばしてくる娘を夫から受けとり、抱きしめました。ヒックヒック言っていましたが、すぐに泣き止み、そのまま娘は眠り始めました。

 

しかし、体がかなり熱かったので、おかしいかもと思い測ってみると、高熱が出ていました。「救急車を呼ぶか」。そう言って夫は119番に電話しました。

 

自分たちの無知を反省

まもなく救急車が到着し、かかりつけの小児科へ向かいました。病院で事情を話すと、お医者さんから「熱性けいれんですね。小さいお子さんは、熱が出るときにけいれんを起こすことがあります。今回のようなケースでは、救急車で急いでくるようなことではありませんよ」と言われました。

 

ほっとしながらも、自分たちの無知を恥ずかしく思いました。熱性けいれんという言葉は知っていましたが、息が止まったような娘を見て、それとはすぐ結び付きませんでした。本当なら、けいれんがおさまるまではそっと静かに様子を見なくてはいけないのに、逆さまにして背中をたたいたり、無茶苦茶なことをしてしまったと反省……。

 

帰宅して落ち着いたころ、母に電話をすると、私も幼いころに熱性けいれんを起こしたことがあると言われました。「お父さんが慌ててね、舌を噛んだらダメだからって、急いで自分の親指をあんたの口に入れたんやわ。相当痛かったみたいで、爪が割れて、指からは血が出てたよ。それ以来、お父さんの親指は少し変形してるわ」。

 

確かに父の親指は、指先にへこんだ傷あとがあります。「親はそうやって、いろいろ失敗しながら成長していくもんだよ」。母の話で少し気持ちもラクになりました。


※けいれん時、口に指やタオルなどを噛ませると、呼吸ができなくなったり、嘔吐を誘発し吐物が気管に入ってしまったりする恐れがあります。口に物を入れないように注意しましょう。

1年後、また同じ出来事が…

その約1年後の大晦日の夜、また娘が熱性けいれんを起こしました。数日前から少し熱っぽく、体調が悪かったのです。眠っていたのに急に震えだし、顔が真っ青になりました。前回の経験があったので、少し落ち着いて対応できましたが、熱があまりにも高いので怖くなりました。「熱が上がるときにけいれんするんだよね? すでに熱があるのにけいれんするなんておかしくない?」。「そやな。それに、眠っていてけいれんするのは、やっぱり変やな」。

 

当時は、今のようにスマホで調べられる時代ではありません。未熟な夫婦は何もかもが心配になり、いてもたってもいられなくなりました。かかりつけ医に電話をかけ、車で急いで小児科に向かいました。

 

申し訳なさでいっぱいに

到着したころにはもう新しい年になっていました。お医者さんからは「熱性けいれんで、何も心配ないです」とのこと。安堵とともに、お医者さんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。薬を待っている間、寒くて暗い待合室はその作業の音だけが響いていました。私たちは気まずい雰囲気の中、すやすや眠るわが家の「姫」の顔をただ黙って見つめていました。

 


娘は小学校入学まで毎年熱性けいれんを起こしていました。脳波を検査し、異常はないとわかりましたが、小学校でも急にけいれんを起こさないかとしばらく心配していました。結局、それ以降にけいれんは起こしませんでした。娘も今は26歳、すっかり大人になりました。無知だったとはいえ、もう少し冷静に対応するべきだったと思いました。あの日お世話になったお医者さんには感謝しています。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/助産師REIKO


著者:琲音

26歳、23歳、17歳の3人の子のベテラン母ちゃん。23歳の次女は肢体不自由です。障害のある子どもとそのきょうだいを育ててきた経験は、私の誇りです。

 

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      熱性痙攣には痙攣が長いタイプもあるので、初めて起きた場合にはすぐに救急車を呼ぶことをおすすめします!
      保育士をしていて、短いタイプの熱性痙攣は経験していましたが、長いタイプがあるのは知らなくて、我が子が熱性痙攣になった時に、いつまでたっても収まらないので、救急車を呼びました。どんどん顔が青ざめ、指の間から命が溢れ落ちていくようでした。痙攣が治るまで30分ほど…そして声を発するまでは、生きた心地がしませんでした。 
      4歳になりましたが、あれから再び痙攣を起こすことなく、障害も残ることもなく、元気に過ごしています。
      ただの熱性痙攣ではなく、てんかんの場合もあるので、我が子の健康のためなら、 お医者さんに多少面倒くさがられたとしても、救急車を呼んでもいいと思います!
      (痙攣が治まったなら自家用車でいいですが…)
      (余談ですが、熱性痙攣経験者は37.5℃以上などで、痙攣止めの薬をもらうはずですが、この方はもらわなかったのでしょうか?) 
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      10ヶ月の子供を育てています。 この記事で熱性痙攣、初めて知りました。 知らなかったら絶対パニックになっていると思いますし、知った今でも絶対パニックになるだろうな…と、記事を読みながらドキドキしていま… もっと見る
      10ヶ月の子供を育てています。
      この記事で熱性痙攣、初めて知りました。
      知らなかったら絶対パニックになっていると思いますし、知った今でも絶対パニックになるだろうな…と、記事を読みながらドキドキしています。
      幸い、息子はまだ病気にかかったことがありませんが、いざかかった時に私も主人も慌てふためいてしまうのが目に見えているので、病気についての知識もつけていきたいと思います。

      気付きの記事をありがとうございました!
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      私の住む地域の救急救命講習では、初めてのけいれんは救急車呼んでもいいですよと言われました。娘が初めてけいれんを起こしたときは一時間で2回起きたので、#8000に電話したらすぐに救急車を呼んでくださいと… もっと見る
      私の住む地域の救急救命講習では、初めてのけいれんは救急車呼んでもいいですよと言われました。娘が初めてけいれんを起こしたときは一時間で2回起きたので、#8000に電話したらすぐに救急車を呼んでくださいと言われ、救急車で運ばれそのまま入院となりました。そのとき診察した小児科医に、一度だけだったら帰って良かったですが、同じ日に二度起きるのは必ず入院ですと言われました。その2ヶ月後に二度目のけいれん(一晩で2回)がありましたが、入院の必要はなく、けいれん予防の座薬をもらいました。三度目が起きたら入院と言われています。時代によるものなのか地域によるものなのか分かりませんが、同じ熱性けいれんでも対応がかなり違うことに驚きました。
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