里帰り出産中の実母のスタンス
里帰り出産をした私は、退院してから慣れ親しんだ実家で、家族の助けを借りながら子どものことだけを考えて過ごせる、幸せな日々を送らせてもらいました。布団に寝かせると泣いてしまう息子をほぼ24時間毎日抱っこしていましたが、里帰りが終わったら離れてしまうのだからと、母に「抱っこする?」と聞いた私への返答は「抱っこさせてくれるの?」でした。
「大事な赤ちゃんを抱っこさせてもらえてうれしい。本当にありがとう」と言ってくれたその気持ちに、自分はこの子をほかの人に触らせたくないんだという自覚とともに、それを言わずとも理解して寄り添ってくれていた母に「ありがたいなあ」という気持ちがこみ上げ、とてもうれしく感じました。
里帰り終了、義実家で覚えた違和感
幸せな里帰りも終わり、自宅に戻った私。わが家は義実家完全同居のため、義理の家族と一緒に過ごす日々が始まりました。最初は初孫の誕生を歓迎し、喜んでくれる義両親に幸せな気持ちでいっぱいになりましたが、義母の「抱っこしてあげようか?」このひと言で私の中の友好的な気持ちが一気に瓦解していきました。
私の気持ちは「抱っこしてもらわなくてもいい。けれども抱っこしたいのを知っているから抱っこさせてあげてもいい」なのに、「私がお願いして抱っこしてもらう」ことに強烈な違和感を覚えたのです。せめて「抱っこさせて」と言ってくれれば、こちらの気持ちも違ったかもしれませんが、この言葉をキッカケに義母を敵視してしまう日々が始まりました。
加速する義母への嫌悪感の正体は……
義母は無意識だったと思うのですが、ただでさえほかの人に子どもを触らせたくなかった当時の私は、「お世話を焼きたがっているのは義母自身なのに、“してあげる”というマウントをとられている」と感じてしまい、嫌悪感を抱きました。結果的に、家の中で義母となるべく距離をとるように。
もともと面倒見が良くやさしい義母と私の関係は良好でしたが、子どものことになると私は義母に対して壁を作るようになっていきました。
自分の心に素直に!
私はイライラと共に、なんでこんなに嫌なのだろうと考え、たどり着いた答えが「ガルガル期」。ホルモンバランスの乱れによる警戒心の高まりでした。ホルモンバランスなど自分ではどうにもできません。
私は夫に今まで感じてきたこと、それがどうしようもないことであることを相談しました。幸いにも夫は私の気持ちを理解してくれ、義母と息子が接触するときは基本夫が抱っこしたまま、そして私の嫌がる行為をしようとすると、「まだお風呂入ってないでしょ」と、息子だからこそきつく言って壁になってくれました。
息子が2歳になった今、私の「ガルガル期」はだいぶ収まりましたが、それでもお出かけのときに「ばあばにチューは?」と言われるとイライラします。幼稚園に通い出した今は「ほかのお友だちにしてしまったらダメだから」と言って自粛してもらう毎日です。
産後はホルモンのせいで気持ちのバランスがおかしくなり、出産前には何とも思わなかったいろいろなことが気になるようになってしまう場合があるそうです。わが子を守りたい気持ちが強くなるからこそ生まれてしまうその感情は、もうどうしようもできないので、自己嫌悪に陥らずに自分の気持ちを大切に、楽しい育児をしていきたいと思います。
著者:しまの りあ/女性・自営業。2歳男児の母。フリーランスとして音楽関係の仕事をしながら、家事や育児に積極的な夫とともに楽しく子育て中。夢はマイホームを購入して、完全同居の義実家から抜け出すこと。
作画:こちょれーと
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています