赤ちゃんがやる「くせ」。生まれたばかりなのに、大丈夫?と思うことがたまにあります。
では耳を触る「くせ」に問題はあるのでしょうか。
Q:耳を触ります。自閉症の可能性があるのでしょうか
もうすぐ9カ月の赤ちゃんなのですが、最近遊んでる時など不意に耳を触ります。
耳たぶを触ったり少しだけ耳に触れたりします。
昨日耳鼻科に連れてったら、耳垢が溜まっておりとってもらいました。中耳炎ではありませんでした。
けれども、今日もまた触っていました。これはなんでしょう?
前から、眠い時、授乳中で寝そうな時に触っていました。でも最近は普通に遊んでる時にも触るので不安です。
調べると耳を触る子は自閉症と書いてありました。
自閉症の可能性があるのでしょうか。「くせ」なのでしょうか。
A:まずは、発達評価をするのがよいと思います
乳幼児期のこどものいろいろな「くせ」は気になるものです。耳をよく触るということで自閉症スペクトラムと診断したことはありません。教科書的にもそのような記載はないように思います。
自閉症は現在、広くとらえるようになってきています。その特徴をひとことで言うと「発達のバランスの悪さ」でしょう。特に、対人関係(同じ年頃の子を意識したり、年下の子をかわいがったりすること)、言語面(ことばをまねしようとしたり、ほめられるとうれしいと感じたり)の問題があり、それに加えてこだわりの強さがあります。それでは「耳をよく触る」ことが「癖」なのか「こだわり」なのかどのように区別すればいいのでしょう?まずは、発達評価をするのがよいと思います。運動面、社会面、言語面の3つの軸で評価して、9カ月の到達レベルがどうかをみます。3つの軸の発達が正常範囲であれば自閉症の可能性は低いと思います。
耳垢がたまっていたときに耳を触ると「気持ちよかった」、手を動かしている感覚と耳から伝わる気持ちいい感覚を同時に脳が捉えて、「耳を触る=気持ちいい」という体験をした。そのためその気持ちよさが、こたえられなくて、その後も耳を触って反復練習をする。「やっぱり気持ちいい、なんか不思議な感じ」と思っているのかも知れません。からだをいじることは、指吸いが最も頻度の高いものですが、「発達現象の1つ」と捉えられています。(回答/松井潔先生)