「水疱瘡」って読めますか?
「水疱瘡」って読めますか?「水疱瘡」に罹ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは感染症の1つです。こちら、なんと読むでしょうか?
正解は
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「みずぼうそう」です。
一般的に「みずぼうそう」と言われることが多いかと思いますが、正しくは「水痘」と言います。では、こちらもなんと読むでしょうか?
正解は
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「すいとう」です。
水痘(水疱瘡)とは?
水痘は、特に2〜8歳の子どもに多く見られる感染症で、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。感染経路は、飛沫感染・接触感染があります。
症状は、38度前後の発熱と全身の発疹です。はじめは皮膚が赤みを帯び、その後直径3~5mm程度の盛り上がった赤い発疹となり、それが水ぶくれのようになったのち、かさぶたになっていきます。数日にわたり新しい発疹が次々とでき、さまざまな段階の発疹が混在し、すべての発疹がかさぶたになるまで6日程度かかると言われています。そのほか、全身のだるさ・軽い頭痛・ 食欲の低下などがみられます。
これまで水痘は終生免疫(一度感染すると生涯その病気にかからない)と考えられてきましたが、再感染があることが知られるようになってきています。
水痘は子どもの病気? 妊婦さんは要注意!
水痘は子どもに多く見られる感染症ですが、大人が感染すると重症になることがあり、髄膜炎や脳炎などの合併症の頻度も高くなると言われています。また水痘・帯状疱疹ウイルスは水痘が治ったあとも体の中に潜伏していて、何年も経過してから何らかの理由で再活性化し、「帯状疱疹」を生じることもあります。
水痘に感染歴のない妊婦さんは注意が必要です。妊娠13〜20週ごろに初めて水痘に感染し、発症した場合、まれにではありますが赤ちゃんが先天性水痘症候群(CVS)※1を発症することがあります。また、妊娠後期では、水痘肺炎を発症すると重症化することがあり、死亡率も2〜35%というデータがあります。そして、出産前4〜5日から出産後2〜3日に水痘を発症した場合、30〜40%の赤ちゃんが新生児水痘を発症し重症化すると言われています。
※1 先天性水痘症候群(CVS):妊婦さんが水筒を発症した場合、胎児に感染すると1〜2%に発達遅滞・四肢の低形成・網脈絡膜炎などを生じる
水痘に感染したら? 予防はできる?
水痘の治療には抗ウイルス薬を使用します。そして、予防接種で予防が可能です。しかし、水痘ワクチンは生ワクチン (生きたウイルスや細菌の病原性を、症状が出ないように極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで弱めたもの)なので、妊婦さんは接種することができません。
水痘の患者さんに接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種すれば80%〜90%発病を予防でき、また、発症した場合でも症状の軽減化が期待できると言われています。
今回は、口にする機会はあるけれど、漢字で書いてあると読めないという言葉の1つ「水疱瘡(みずぼうそう)」をご紹介しました。水痘は2014年から定期接種化し、対象時期も決まっています。定期接種は市町村が主体となっておこなっているので赤ちゃんが生まれたら確認しておくと安心ですね。赤ちゃんを守るためにも水痘のみならず予防接種ぜひ受けていただければと思います。