不安と緊張でドキドキの受験前日
私が千葉県にある大学を受験した際のことです。中国地方出身の私は、受験前日、ひとりで飛行機と電車を乗り継ぎ、大学近くのホテルへと向かいました。受験前の緊張感と、「自分だけで目的地までたどり着けるのか」という不安で、行きの道中はずっと胸がドキドキして苦しかったことを、今でも覚えています。
自宅出発から約4時間半、たどり着いたのはどこか昭和の香りが漂う、少し古びたビジネスホテルでした。部屋に入り、まずは無事にホテルへ到着できたことに一安心。勉強はほどほどにし、明日の決戦に備えて、その夜は早めに就寝しました。
ベッドシーツの赤いシミに、思わずパニック
受験当日の朝、私はお尻周りの違和感で目を覚ましました。「あれ、この独特の気持ち悪さは……」と気づいた瞬間、ガバっと上体を起こし、ベッドシーツを見たときには時すでに遅し。ちょうどお尻があったであろう場所には、複数の赤い斑点が浮かんでいたのです。
今思えばフロントに連絡して、どうすべきかを相談すればよかったのでしょうが、当時の私はまだ高校生。「ホテルの備品を汚してしまったこと」への申し訳なさと、ホテルの人にシーツを汚したことがバレることへの恐怖が相まって、思わず泣きそうになりました。
恥ずかしくて直接言えない……!
シーツを汚したことに大ショックを受けたものの、その日は大学の試験当日。すぐに身支度をしてホテルをチェックアウトし、受験会場へ向かわなければなりません。どうしよう、どうしようと悩んだ私は、部屋に備え付けられたデスクに、謝罪のメモを残すことにしました。
適当な紙に「不注意でシーツを汚してしまい、本当にすみません。お金はクリーニングに使ってください」という文言を残し、クリーニング代の3,000円を添えて、ホテルをあとにしました。そのお金は、受験後にファンだったアイドルのグッズに使う目的だったのですが、もはやそんなことは言っていられません。間接的にでも謝罪をしたことで、胸のモヤモヤは少し晴れ、大事な受験に臨むことができました。
ホテルのシーツを経血で汚してしまったときの焦りや罪悪感は、いまでも思い出すたびに胸がキュッと苦しくなります。直接の謝罪はできませんでしたが、無断で立ち去らず、少しのお金と謝罪のメモを残せたことは、自分のなかでは救いになっています。
ちなみに受験の結果は無事合格。その年の4月から、晴れて念願の大学へ入学を果たしましたが、受験でのほろ苦いエピソードでした。
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監修/助産師REIKO
著者/鮭いくら