唯一のリラックスタイムさえも……
生後4カ月の息子を育てていたころ、よく泣く子で、夫がいない日中はトイレ、食事、睡眠すべてを我慢して、ひたすら息子を抱っこしながらあやす日々でした。唯一ひとりでゆっくりできる時間は、夫がいるときのお風呂タイム。
息子を夫にお願いし、15~20分ほどゆっくりお風呂へ入りリフレッシュすることで、何とか育児を頑張ることができていたのです。「ゆっくりお風呂に入っておいで」と最初こそ言ってくれていた夫も、せっかちな性格がそう簡単に変わるはずもなく……。
夫が自分ひとりで息子の面倒を見ることがプレッシャーだったのかもしれません。息子がよく泣いたある日、ついに夫が私のお風呂時間の長さに激怒! 「遅い! 風呂は5分で上がれ! それ以上時間をかかるなら髪を短くしろよ!」と怒鳴りつけてきたのです。
5年分の問題が明らかに
睡眠と食事もままならないのにお風呂の時間さえも削られてしまったら、人間としての何かを保つことができなくなってしまうと夫に猛抗議。しかし、夫はとにかく早くしろの一点張りで、お互いの話はまったくまとまらず……。
夫が求めるスピード感までは達していないものの、交際中から夫のせっかちな性格になるべく合わせてきました。夫の行き過ぎたせっかちな強要に反発して喧嘩をしたこともありましたが、だましだまし関係を保ってきて5年。子育てというライフイベントでついに誤魔化しがきかなくなったのでした。
どうしても直せないことがお互いある
夫といくら話し合っても、話は平行線のまま1週間ほど経ったある日、今度は違うことで夫婦喧嘩。夫は床に食べ物や飲み物をこぼしては、いつもそのまま放置してしまうのです。夫にそのことを注意すると「申し訳ないけど、こればかりは癖みたいなものでどうしても直せない」と言ってきたのです。
私は今がチャンスと思い「あなたが食べ物を床に落として掃除することがどうしてもできないように、私もお風呂時間をこれ以上早くすることはできない」と夫に伝えました。すると夫は驚いたように一瞬黙ったあと「そうだよな……。お互いどうしても直せないことがあるよな」と言ってくれたのです。
その後は夫からのせっかちな強要はなくなり、私も夫のできないことは指摘せず気づいたら代わりにおこなうなど、夫婦でお互いさまの精神を意識するようになったのでした。
私たち夫婦は今回のことに限らず、お互い直す努力はしたけれど、どうしても直せないこと、譲れない習慣や癖などがあります。今までは自分の意見を相手にただぶつけて喧嘩をするだけでしたが、夫と出会って5年目にしてやっと何かあってもお互いさまだからとお互いを尊重し合い、助け合うことのできるきっかけとなった体験でした。
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監修/助産師 松田玲子
著者:米久 熊代
1歳児男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。
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お風呂うんぬんと訳が違うのでは。