更年期の代表的な症状って? のぼせ、ほてり、発汗があるときの治療法は?【更年期の基礎知識4】

更年期症状といえば、まずよく聞く症状はのぼせ、ほてり、発汗ではないでしょうか。これは女性ホルモン(エストロゲン)欠乏で起こる代表的な症状です。ただ、どの程度の症状で受診を考えるのかは悩ましいところですね。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。

 

「この記事はこんな人におすすめ」


・更年期症状について、受診のタイミングや検査内容を知りたい方
・更年期症状の具体的な治療法が知りたい方
・更年期症状の治療をおこなう上でのリスクが知りたい方

 

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のぼせ、ほてり、発汗の主な原因は?

エストロゲンの分泌低下により自律神経が乱れるため

ホットフラッシュイメージ

 

閉経前後の更年期に入ると、卵巣機能の低下、つまりエストロゲンの分泌が低下します。脳は一生懸命に刺激を出すのですが、卵巣からのエストロゲンの分泌量には波があり、うまく調整されません。いわゆる“ゆらぎ期”という、ホルモンバランスが乱れた状態になります。

 

のぼせ、ほてり、発汗はエストロゲン減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。更年期の女性の6割程度が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症になるのは1割程度といわれています。

 

医療機関への受診の目安は?

日常生活に支障を来す場合は自分の気持ち最優先で

病院受診イメージ

 

症状としては突然2~4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍も早くなります。ほてりや発汗は顔をはじめ、頭部、首から胸に広がります。また、突然体がカッーと熱くなったり、急に顔が紅潮したり、涼しいのに汗が止まらないなどの症状なども見られます。

 

はじめは戸惑う症状ですが、許容できる範囲内なら様子を見ても構いません。ただ、それらの症状が日常生活に支障を来すようなら気軽に婦人科で相談をしましょう。不快さやつらさは本人の感覚ですし、仕事や環境によっても感じ方は変わります。我慢せずに自分の気持ちを最優先して受診を決めましょう。

 

婦人科の受診でわかることは?

検査結果次第では内科の受診をすすめられることも

診察カードイメージ

 

のぼせ、ほてり、発汗といえば更年期症状の代表ともいうべき症状ですが、甲状腺疾患のサインであることもあります。

 

甲状腺機能異常は更年期世代の女性に多い疾患です。甲状腺の機能が亢進するとバセドウ病、低下すると橋本病といわれます。どちらも疲れやすい、だるいといった症状になりますが、バセドウ病は特に熱感、発汗を伴います。

 

通常、婦人科では女性ホルモンの採血ともに甲状腺ホルモンの検査もおこないます。もし異常があれば内科の受診がすすめられます。

 

具体的な治療例2つとセルフケア

漢方入れイメージ

 

1.ホルモン補充療法(HRT)
2.漢方療法
3.セルフケア「自立訓練法」

 

【1】ホルモン補充療法

治療法は、ホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方薬や安定剤などさまざまです。医師はそれぞれの症状に合わせて治療をおこないます。

 

ホルモン補充療法はエストロゲンを体に補充する治療法で、内服薬・貼り薬・ジェル状の塗り薬があります。更年期症状のなかでも、のぼせ、ほてり、発汗といった症状には特に有効です。開始してから2週間ほどで効果が出始めます。

 

5年以上使用する場合は乳がんのリスクが上がるといわれているため、通常2~5年くらい使用しますが、5年で必ずやめなければならないということではありません。そのリスクと治療効果を考慮しながら検討します。いきなりやめるとまた症状が出てしまうこともあるので、生活環境を整えたり、セルフケアなども取り入れながら、だんだんと減量し、ゆっくりやめる方向へ持っていきます。

 

【2】漢方療法

また、症状によっては漢方療法も有効です。代表的な漢方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。漢方は2週間から1カ月使用して効果を確認し、ラクになった感じがなければ処方内容を変更して、本人に合った漢方薬を見つけていきます。

 

【3】セルフケア「自立訓練法」

仰向けイメージ

 

セルフケアの一つとして、自立訓練法があります。薬物治療ほどの効果は期待できませんが、これをおこなうことで自己コントロール力が身につき、症状緩和につながることもあります。

 

●静かに落ち着ける場所で椅子に座るか、あお向けで横になり目を閉じます。下の7項目を唱えながら、その状態になるように気持ちを向けます。
①気持ちがとても落ち着いている。
②手足が重い。
③手足が温かい。
④心臓が静かに打っている。
⑤呼吸がラクになっている。
⑥おなかが温かい。
⑦額が涼しい。


●終了のための消去動作をおこないます。
①手足が軽い。
②手足の温かさが引いてくる。
③おなかの温かさが引いてくる。
④額の涼しさが引いてくる。
⑤気持ちがとても落ち着いている。


●1回5分以内で、1日2~3回おこないます。

 

治療をおこなう上でのリスクは

ホルモン補充療法は定期的な乳がん検診を

乳がん ピンクリボンイメージ

 

ホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるのではと、不安に思われる方も多いと思います。しかし、ホルモン補充療法による発がんリスクは、肥満や飲酒による発がんリスクと同程度か、それより低いことが最近の研究で明らかになっています。ホルモン補充療法は、ほてりや多汗、めまいやイライラなどに対し有効な治療法であることは間違いありません。過度に恐れる必要はありませんが、治療の際には必ず乳がん検診を受けましょう。

 

・更年期症状の主な治療法は、ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法の2つ
・ホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるといわれているので、治療の際は定期的に乳がん検診を受ける

 

まとめ

のぼせ、ほてり、発汗がひどいと、ずっと不快感を抱えて生活しなくてはならず、人前に出るような仕事や機会が多い場合はかなり気になりますよね。この程度で受診してもいいの?と考えてしまうかもしれませんが、我慢せずに受診して快適な生活を手に入れるほうが精神的にもラクになれます。

 

監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長)

 

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取材・文/アキモトスズ

「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。

 

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