生理前は気分が落ち込み、寝込むことも
3年ほど前のことです。生理前になると必ず気分が落ち込んでしまうことが続いていました。特にきっかけはないのに、涙が止まらなくて仕事や家事に手がつかず、毛布にくるまってソファの上で1日を過ごすことも。そのため、「体調が悪い訳ではないのに、気持ちのせいで今日も何もできなかった」と、さらに落ち込むという悪循環に陥ることもしばしばありました。
そんな落ち込みに悩んでいたころのある生理前、早朝に吐き気を催し、トイレに駆け込んで頭を下げた瞬間、突然涙腺が崩壊しました。子どものころ以来というほどに号泣し、わんわん声を上げて泣きわめいてしまった私。夫は、これまで見たことのない私の姿に驚き、病院に行くことをすすめてくれました。
初めて婦人科にかかることに
その日のうちに婦人科にかかることを決めた私。しかし、病院に着いてからも、口を開けば泣きそうになりうまく話せません。診察前、看護師さんに「いつからですか?」「どのような症状ですか?」とごく当たり前のことをやさしく聞かれているのに、答えるのに時間がかかってしまいました。
その後の診察で、言われた病名は「PMDD(月経前不快気分障害)」でした。先生から生理の回数を減らすためのピルを処方してもらい、心療内科でも診てもらったほうがいいからとのことで紹介状も書いてもらいました。心療内科と聞いて、まったく抵抗がないわけではありませんでしたが、早く治したいという思いが強く、すぐに心療内科の予約を取ることに。
すがる思いで心療内科に
心療内科では、生い立ちから、家族、仕事についてたくさん聞かれました。「悩んでいることはないか」とも聞かれましたが、特に思いつかず、何を話したらいいのか悩んでいると、簡易な心理検査を受けることを提案されたのです。
心理検査は、思いつくまま文章を書くものや、絵の吹き出しに当てはまるセリフを考えるという、案外楽しくできるものでした。結果、言われたことは、「あなたは自分がしたいことよりも、周りからどう思われるかを優先してしまうから、知らず知らずのうちに疲れてしまう。この考え方を少し変えるために定期的なカウンセリングを受けてはどうか」ということ。
私は半信半疑でしたが、「よくなるなら」と私はカウンセリングをスタートさせることに。すると半年経ったころには、私が無意識のうちに思っていた「すべてしっかりこなさないと、人からだらしないと思われる」という固定観念が少し和らぎ、自分の中で少し気持ちにゆとりが持てるようになっていったのです。
婦人科で処方されたピルで生理の回数が3カ月に1回になったことと、カウンセリングで元来の性格であるこだわりの強さが和らいだことで、PMDDはかなり改善し、生理前に訳もなく涙が出ることや寝込むこともなくなりました。病院へ促してくれた夫も、不安なことがあれば私に寄り添ってくれ、その気づかいに感謝しています。長い間、気分の問題だと思っていましたが、思い切って医療に頼ってよかったと思う出来事でした。
著者/浅野みん
監修/助産師 REIKO
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