慢性的な水分不足により、暑さに弱い体に
更年期女性すべてが夏の暑さに弱いのかというと、そうではないと駒形先生は話します。
「生理がまだある場合、生理前の黄体期は体が水分を蓄えていますが、生理時の出血とともに、水分も喪失してしまいます。ましてや過多月経の人は重度の脱水状態になります。生理で失った水分を補った上で、必要な水分をとらないといけないのですが、実際には十分な水分は摂取できないまま慢性の脱水状態になりやすいのです。
若いときはそれでもなんとか耐えられていても、ホルモンバランスの乱れにより体調が不安定な更年期女性の場合、急激な暑さに耐えられなくなることがあります。更年期は、もともとあった状態や症状がひどくなるのが特徴です。更年期に入る前に、水分をしっかりとる習慣がついていれば暑さにも耐えられます」(駒形先生)
女性ホルモンの低下で体温調節がうまくいかないことも
慢性的な水分不足に加え、体温調節機能がうまくいかなくなることも暑さがツライ原因だそうです。
「女性ホルモンのエストロゲンが減ると、発汗機能をコントロールする自律神経が乱れてしまうことがあります。自律神経の不調から汗を出しにくくなると、体温調節がうまくいかなくなることがあります」(駒形先生)
さらに、体温調節は自律神経だけが司っているのではなく、筋肉にも関係があると言います。
「体の熱の発生源は筋肉です。筋肉が熱産生をして発汗することで体温は保たれています。ですから、女性ホルモンが減って筋肉の質が落ちることでも体温調節がうまくいかなくなります」(駒形先生)
筋肉を動かすことが大切!
筋肉の質が落ちるとなぜ体温調節がうまくいかなくなるのでしょうか。
「筋肉の質が悪い人は血管の状態も良くないことが多く、血管の伸びが良くないと水分や栄養分を全身に運べなくなってしまうのです。更年期女性にはむくみが多いですが、これも上半身に水分を運べず、下半身にたまってしまっているから。どれだけ水分をとっても筋肉が働かなければ、全身に運べないのです。今からでも遅くないので、ストレッチなど、自分ができる範囲で意識的に筋肉を動かす習慣をつけてほしいと思います」(駒形先生)
まとめ
暑さに勝つ体には筋肉が不可欠ということでした。筋肉をつけるというと、激しい筋トレを思い起こしますが、ストレッチやマッサージなど自分でできる範囲で良いそうです。毎日の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。