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「まさか私が乳がんに!?」左乳房を摘出。早期発見・早期治療につながった定期検診【体験談】

40代後半の私。年を重ねるにつれ、健康への心配ごと、体に注意を払うことが増えてきました。「乳がんのリスクが上がる」ということもその1つ。しかし、そのリスクに対し「わが家は『がん家系』じゃないしね」と、すっかり油断していました。この話は、私が思いがけず乳がんになり、検診を通して「早期発見! 早期治療!」に運良くつながった体験談です。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師黒田 あいみ 先生

美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。Zetith Beauty Clinic医師(東京都中央区銀座4丁⽬2-17 銀座111レジャービル13階)。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著書に『アスリート医師が教える最強のアンチエイジング』(文藝春秋)。
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まじめに受けていた定期検診

国の指針で「40歳以上の女性は2年に1回、マンモグラフィー検査による検診が適切」と定められていて、私の住む市町村でも40歳を迎える年になると「乳がん検診の案内」が届きます。

 

その初診で医師は私の胸を見て「乳房(にゅうぼう)は、念のため、1年に1回の検診を受けたほうが良いですね」と診断され、それからは毎年決まった時期に、乳がん検診を受けてきました。

 

苦手なマンモグラフィーの頻度が増えるのはすごく嫌でしたが、それでも毎年検診の時期になると「そろそろ予約を入れなくちゃ」と、かかりつけの乳腺クリニックの電話帳を開いていました。

 

「コロナ禍でもがん検診を受けよう! 」と叫ばれた2021年。40代になり6度目の秋も、私は恒例の乳がん検診を受けていました。

 

乳房専用のX線撮影装置、マンモグラフィー。2枚の板で乳房を挟まれ、ぺっちゃんこにされる強い痛み。技師さんにやさしく励ましてもらいながら、涙目になりつつ必死で耐えました(痛みの程度はさまざまで、まったく痛くないかたもいると聞きます)。

 

あれ?今日はいつもと違う

乳がんの検査のイメージ

 

撮影が終わって「今年も乗り切った! これでまた1年、放免だー! !」と喜んでいた矢先。所見を聞くために診察室に入ると、先生が「気になる部分があるから、今日はそこを『細胞診』するね! 」と初めて聞く検査名を口にされました。

 

「え? 何それ? ? 」とびっくりしている間に準備が整い、先生から「ちょっと痛いよ〜」と声をかけられ、注射器のようなもので乳房から細胞を取る処置がなされました。

 

「ひー、めっちゃ痛い(泣)」

 

「診断結果は1週間以上空けて、また来院してね」と案内され、その日はクリニックをあとにしました。

 

そのころ、私の仕事は繁忙期に入っていました。緊急事態宣言明けの秋、一気に動きだした世の中。仕事に家事に育児にと、例年よりも「ハードだな! 」と感じる日々を、慌ただしくこなしていました。

 

「この忙しい状況でまた通院……タスクが増えるの、困るな」「きっと検査結果は何ごともないに違いない」と信じ、気楽に考えていました。

 

 

総合病院へ転院を勧められる

精密検査のイメージ

 

そして迎えた再診の日。診察室に呼ばれ、先生から「次の段階『針生検』という精密検査が必要です。このクリニックでもできますが、もし、さらに検査が必要になったとき、機器がそろっている総合病院に行くことになります。この段階でそちらに移る紹介状を書きましょうか?」と伝えられました。

 

今回で終わると思っていた通院。「次の段階へ? しかも大きな病院? ?」背筋に冷たいものがすぅっと走り、内心かなり動揺していましたが「早く決断しなくちゃ」と、紹介状を作成してもらうことにしました。

 

先生に指示された看護師さんが「総合病院の乳腺科はすごく混んでいるから、すぐに初診の予約を取りましょうね」とその場で電話を入れてくださったのが心強く、そして温かく感じられ、印象的でした。

 

私が紹介されたのは、さまざまながんの診断・治療にあたっている国指定のがん診療拠点病院。調べてみると乳腺科に力を入れていることがわかり、不安の中にも「頑張って行ってみよう」というポジティブな気持ちが生まれました。

 

見つかってしまった…! 左胸に乳がん

ショックを受ける女性のイメージ

 

総合病院に転院して1カ月がたち、私は診察室で、やさしい口調の穏やかな主治医の先生と向き合っていました。

 

検査結果の画像データが映し出されたパソコンの画面を見ながら「詳しく調べていた左胸のここの部分、乳がんと診断されました」と、告知を受けました。

 

先生が手書きの図解で丁寧に説明してくれるのを目で追いながら、頭の中では「告知をひとりで受けるって寂しいな……」「今ごろ夫が心配しているな……入院となったら負担をかけるな……」「仕事のスケジュールどうしよう。お休みをもらうしかないよね……」と考えをぐるぐると巡らせていました。

 

最初は「がんになった自分」「周りに迷惑をかける自分」にショックを受けて落ち込んでいました。

 

友人に報告すると「がんは残念だけど、見つかったことはよかった。がんになるのは仕方がない。検査して、見つけて、早く治療することだよ! 」と力強い言葉。

 

「本当にその通りだ。もし乳がんが見つかっていなかったらと考えたほうがすごく怖い」と、ハッとしました。

 

それからは「これでよかったんだ」と、入院、手術、治療に対し少しずつ肯定的な気持ちになり、前向きに進むことができました。

 

私の入院は、年末年始をまたいだ12日間でした。手術は全切除(全摘出)術で、左乳房を喪失。この先数年間にわたる、ホルモン療法剤の服用開始。そこで生まれた不安や戸惑いは、そのつど納得がいくまで調べ、考え、一つひとつを乗り越えていきました。

 

そして今、家族や友人、職場の人、医療スタッフさん、たくさんの方にサポートしてもらいながら、無事に日常生活を送っています。

 

まとめ

乳がんの発症ピークは、40〜50代の働きざかりの世代といわれているそうです。その乳がん患者さんとお話をする機会がありました。私と同じく働くママ、そのうえ介護も加わった方、がん診断への恐怖心……受診をためらったさまざまな理由を聞きました。

 

私はたまたま、がんの発生と検診のタイミングが合い、早期治療へつなげることができました。もし忙しさにかまけて検診に行っていなかったら……今とは違った状況になっていたかも知れません。全面的に協力してくれ、寄り添ってくれた夫。子どもながらに考え、励ましてくれた息子。家族とともに過ごせる時間に感謝し、これからも大切な人たちと一緒にいられるよう「体を大切にしていこう」と、思いました。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

イラスト/サトウユカ

 

 

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著者:ショコカ

夫と小学1年生の男子の3人家族。産後の体形が戻らず、コロナ禍でさらに体重増加したのが悩み。日課は朝のラジオ体操とプロテイン飲料、夜は糖質ゼロのビール 。アラフィフの体とうまく付き合うため、仕事と家事のバランスを模索中。

 

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