彼にサプライズを計画
私は、職場の直属の上司である9歳年上の彼と、周りに内緒で交際を始めました。交際してすぐ結婚を視野に同棲をスタートさせ、彼とは相思相愛だと思っていました。
彼は周りからとても慕われる人で、部下の誕生日にはサプライズでプレゼントを用意したり、誕生会を開いたりとサプライズ好き。いつも誰かを喜ばせるために動いている彼を見て、今度は私が彼のために何かしたいと、彼の誕生日にサプライズをすることを決意したのです。
怒って店を出て行く彼
サプライズをする店は、彼が前からずっと行きたいと話していた店にしました。お祝い事を盛大に祝ってくれることに定評があり、音楽好きな彼が好むような陽気な雰囲気のレストランです。
事前に電話でお店の方とサプライズ内容の相談をし、ケーキとプレゼントも準備万端で彼の誕生日を迎えました。当日は彼と一緒にお店に向かいましたが、彼には「店に着くまでは場所は秘密」だと伝えていました。きっと驚いて喜んでくれるだろうと思っていた私ですが、店に到着すると、なぜか彼はだんだんと不機嫌に……。
そして、1杯目のお酒を飲んでいるとき、彼が急に「もしかして俺の誕生日をお前だけで祝おうとしてる？」とかなり怒った様子で聞いてきたのです。
私は予期しない展開にしどろもどろになってしまい、話をはぐらかそうとすると「いや、マジで恥ずかしいからやめろ。俺帰るわ」と怒って、彼はひとりで店を出て行ってしまったのです！
彼が怒った理由にあ然
私は彼が怒った理由がわからず、頭の中は大混乱。お店の方には彼の体調が急に悪くなってしまったと言い訳して何度も謝罪し、誕生日ケーキなど事前に準備していただいた商品の金額を支払い、彼を追って店を出ました。
すると、店の外でタバコを吸いながら私を待っていた彼。そして、彼は私を見るなり「2人きりでサプライズ誕生日会とか恥ずかしすぎるだろ。普通、俺の友だちに声かけて何人か集めたうえで誕生日を祝うもんでしょ」と、思いもしなかったことを言ってきたのです。
彼の言葉にいろいろと思うところはありましたが、年に一度の誕生日に怒ることはしたくない私は気持ちを抑え、すぐさま共通の友人数人に連絡を取り、他の店を探し直しました。そして約2時間後、何とか彼の希望通りの誕生日会を仕切り直すことができたのでした。
その後も彼の仰天エピソードはいくつも続きました。結局、私は彼にフラれてしまい交際わずか1年ほどで破局。彼と別れたあとに出会った人と結婚しました。子どもにも恵まれ、現在は家族3人で幸せに過ごすことができています。当時の私にとってはつらい出来事でしたが、今は過去の面白い思い出話となっています。
著者／米久 熊代
作画／霜月いく
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