赤ちゃんの股関節付近で音がする。どんな原因が考えられるのでしょうか。
Q.股関節周辺を自分でポキポキ鳴らします
6ヶ月になる男の子がいます。今までは何の心配もなくすくすくと元気に過ごしていたのですが、1週間ほど前から自分で右の股関節周辺をポキポキ鳴らすようになりました。膝を曲げて足の裏を合わせた状態で、右側だけ器用にポキポキ鳴らします。
気になって整形外科を受診しましたが、足の長さやシワに問題はなく、レントゲンでも脱臼はしておらず、「右のトウ骨が左よりも少し発達が遅れているようだが、まだ赤ちゃんなのでほぼ問題ないでしょう」との事でした。
医師の前でもポキポキ鳴らしたので「コレです!コレ!」と診てもらう事が出来たのですが、「あー、自分で股関節脱臼を誘発する動きをしているね。まず1ヶ月間はこの動きをさせないように徹底してください。それでもポキポキ鳴らすようなら、器具をつけて固定するしかないですね」と言われました。
赤ちゃんによくあることなのでしょうか。
A.股間節の問題ではなく腱や靭帯の音と考えられます
生後6カ月で整形外科の先生が脱臼ではないと診断されたなら、股関節脱臼ではないと思います。
新生児や1カ月健診で股関節脱臼の検査を行いますが、そのときに関節が「コキッ」、「カチリ」といった音や感触がすることがあり、これをクリック(click)と言います。この音の起源は、靱帯(じんたい)や腱(けん)とされており、一部は脱臼の可能性があるとされています。
しかし、股関節脱臼のときは、むしろ鈍い感触となるようで、これはクランク(clunk)といって区別するようです。ご質問のお子さんの場合、「ポキポキ」という音なので高い音になり(ハイ・クリック)、股関節の問題ではなく腱や靱帯の音と考えられます。
時々見られるものですが、脱臼を誘発するものではないと思います。本人が音を楽しんでいるのかもしれません。
股関節脱臼は1000人に1人ぐらいとされています。女児(8−9割)、初産、骨盤位に多く、胎位の関係で左に多いとされています。股関節が不安定な人は250人に1人ぐらいと報告されています。(回答/松井潔先生)
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