「育休を取っている人はいない」と言い張る夫
産後、私は初めての育児に毎日いっぱいいっぱいでした。いつまでも泣き続ける息子、やっと寝てくれて「自分の時間ができた!」と思ってもすぐに起きてしまい、また息子の世話が始まります。
オムツを替えたりミルクを飲ませたりするだけでなく、お世話中に服が汚れることもあり、後処理に追われることもしょっちゅうありました。しかし夫は平日、毎日残業続きで帰宅は夜遅く、そして土日は「平日の仕事の疲れが残っている」と昼すぎまで寝ています。そのため、育児はほぼワンオペでおこなっている状態でした。
夫に「ワンオペ育児がつらい。育休をとって手伝ってほしい」と何度も伝えましたが、「社内に育休をとっている人はいない」と言って、夫はまったく聞く耳を持ってくれなかったのです。
夫の仕事場でみつけたのは
そんなある日、夫の仕事部屋の掃除中、夫の職場の勤務表を見つけました。何気なく開いてみると、そこには社員の名前とともに「育休中」の文字が! 夫は、社内に育休をとってる人はいないと言っていましたが、本当は育休をとっている人がいたのです。
夫が仕事から帰宅後、私は勤務表に書かれていた育休をとっている人の存在を指摘しました。すると夫は「社内に育休をとっている人はいるけれど、俺が育休を取っても仕方がないだろ。だから育休をとるつもりはないよ」と言うのです。
ついに育休取得
「育児は母親がおこなうもの、自分が育休をとっても協力できることはなにもない」と言われているようで、私は「育休を取っても仕方がない」という夫の発言が頭にきました。普段仕事ばかりで育児をしない夫は、ワンオペ育児の大変さをわかっていませんでした。さらに自分が育休をとっても、できることはなにもないと判断していたのです。
そんな中、育児・介護休業法が改正されたことで夫は職場で育休をとるようにすすめられました。そして、ようやく夫は育休取得に向けて前向きに動き始めたのです。その後、職場からすすめられたこともあって、夫は育休をとってくれました。育休をとってからは、私が積極的に夫にやってほしいことを伝えるようにしているため、夫も育児に協力してくれています。
法が改正されたことで夫が育休の取得に前向きになってくれたので、本当によいタイミングだったなぁと思うと同時に「育休をとる男性が今後もっと増えてほしい」と私は願っています。
著者/nanoka22
イラスト/おみき
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