献血ルームの栄養指導で言われた言葉は…
40代前半はどちらかというと肉が苦手で、食事は野菜が中心。ベジタリアンという響きに憧れて、野菜だけを食べていたこともありました。でも、いつもなんとなく体がだるく、ちょっとしたことで息切れする……。駅の階段も休み休みでないと上れないほど疲れやすかったのです。
そんなとき、献血(成分献血)の事前検査でヘモグロビン濃度の数値が基準に達しない日が出てきました。私が献血した血液センターによると成分献血の基準は12.0g/dL以上。通常であれば私の数値は11.5~12.5g/dLなのですが、献血NGが出る日の私の数値は10g/dLととても低かったため、献血ルームでおこなっている栄養指導を受けることになりました。
普段の食事内容を尋ねられ、野菜ばかり食べていることを話すと、スタッフの方は「人間はそもそも雑食の生き物。野菜だけでなく、肉や魚やいろいろ食べることで栄養のバランスが取れるようになっているんですよ」と言いました。それを聞いたとき、体は食べた物からできている、そんな当たり前ながら大切なことに気付かされたのです。
良い血液を作るために必要なものって?
その後、貧血をはじめとする血液に関する本をいろいろ読むようになりました。ヘモグロビンが不足すると、全身の細胞に酸素が行き渡らなくなり、疲労を感じやすくなるのだそうです。また、健康な血液を作るためには、栄養(特にたんぱく質)と運動、そして休養(睡眠)のバランスが大切だということが書いてありました。
私の食事に足りなかったのは栄養そのもののバランス、そしてたんぱく質だったようです。たんぱく質は血液以外にも、筋肉や皮膚、毛髪や爪など、私たちの体のほぼすべてに必要な栄養素なのだとか。
たんぱく質を多く含む食品には、肉・魚・卵・豆・乳製品があり、この5種類を毎日の食事の中ですべてとるのが理想なのだそうです。そのころの私の食事はというとほぼ野菜で、牛乳は毎朝飲んでいましたが、魚はたまに食べる程度。苦手な肉はもちろん、卵や豆類もほとんどとっていませんでした。
私の毎日の食事には体を作るための材料がまったく足りておらず、そのせいで疲れや冷えを感じていたのだと思い当たりました。
たんぱく質を意識し始めると…
それからはたんぱく質を常に意識して、肉・魚・卵・豆・乳製品の5種類を1日3回の食事で必ずとることを心がけました。この中で、私にとって意外と大変だったのが魚と豆。最初はなかなかとりづらかったため、魚はツナ缶やおかか、魚肉ソーセージ、ちくわやかまぼこなどの練り物、また豆は油揚げや豆乳、きな粉といった加工品も含む、広い意味での魚類・豆類をとるようにしました。
また、たんぱく質を意識した食事をするだけでなく、睡眠時間もきちんと確保するようにしました。私の場合、7時間以上は眠らないと不調を感じることが多いため、それ以下にならないように気を付けました。これを1年ほど続けた結果、ヘモグロビンの値は安定的に12.0g/dLを上回るようになり、ほぼ毎回献血ができるようになりました。
さらに、20代は平均35.7度だった体温が最近では平均36.5度と1度近く高くなり、ずっと悩んでいた手足の冷えが解消するという、うれしいおまけまで付いてきました。このごろは、以前に比べて疲労の回復が早くなったように感じます。また最近では、苦手だった肉がすっかり好きになり、疲れたときには無性に肉が食べたくなるほどです。
まとめ
たんぱく質を意識するようになってから、以前より自分の体の状態に気を配るようになりました。ただこのごろは、食事だけでは解決できないことも出てきました。どんなに栄養をしっかりとっていても、睡眠が不足すれば血色素の数値が低くなります。年齢を重ねて、疲れに対してよりダメージを受けやすくなってきたのを感じます。
また、若いころほど無理はきかなくなってきた分、きちんとケアすれば体もそれに答えてくれるようになった気がします。ぐっすり眠った次の日は、体が驚くほど軽くなります。今後は栄養だけでなく休養して体をいたわることも大切にして、自分の健康のバランスを整えていきたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
【駒形先生からのアドバイス】
たんぱく質の摂取はもちろん大切なことですが、まずは栄養をしっかり吸収できるように胃の調子を整えることも大切です。胃の調子を整えることを心がけつつ、たんぱく質を摂取するようにしましょう。
イラスト/サトウユカ
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著者:ノザキカオリ
本とランニングとビールが好き。病院と薬が極度に嫌いなため、かからない、飲まないために、食事と生活習慣を変えることで病気になりにくい体づくりに日々励んでいる。