関節痛の原因特定は難しい
関節痛に悩まされるときは、まずは整形外科を受診する人が多いでしょう。しかし、そこでは原因が特定できずイマイチ納得できない人が多いのでは、と先生は言います。
「関節リウマチや変形性関節症などの検査をして、問題ない場合は湿布や痛み止めを処方されて、痛みが治まるまで電気をかけるということになるでしょう。まれではありますが、関節リウマチ以外の膠原病(こうげんびょう/皮膚や骨、血管、関節などに炎症が見られる病気の総称)の可能性もあります。ただ膠原病を見るのは内科になりますので、なかなかここまで行き着かないというのが現状です。
関節痛は、原因を探るのが難しい症状です。体重や体のゆがみが影響していることもあります。急に体重が増えたことで関節に負担がかかり痛みが起こることもあります」(駒形先生)
原因が特定できないと「更年期では」と思ってしまいますが、どうなのでしょうか。
更年期は関節痛が悪化しやすくなる
更年期における多くの体調不良は、女性ホルモンが「原因」というより「症状を悪化させる」ことのほうが多いと先生は言います。
「女性ホルモンが減ることで、もともとあった不調が増悪することはよくあります。これは女性ホルモンの減少で新陳代謝が悪くなり、組織の潤いが不足して筋肉もかたくなりがちだからです。また、更年期は痩せにくく太りやすい時期でもあるので、体重増加が原因になることもあります。
関節痛は体重の変化、体のゆがみ、加齢などさまざまな原因から起こりますが、更年期に症状が悪化しやすくなります。ですから、以前よりもつらく感じる日が多くなるかもしれません」(駒形先生)
ちなみに関節痛の緩和として、ホルモン補充療法を受けることも可能なのでしょうか?
「希望があればホルモン検査をしてホルモン補充療法に対応はできますが、おすすめはしません。ホルモン補充で症状が緩和したならホルモンが影響していたのかもしれませんが、薬への依存度が高くなります。それよりも、運動を習慣にするなど生活習慣を改善してほしいと思います」(駒形先生)
ウォーキングやストレッチなど軽い運動からスタート
やっぱり大切なのは運動ということですが、日ごろから運動習慣がない人は注意が必要だと先生は言います。
「更年期から急に筋トレを激しく始めると、筋肉を傷める原因となります。それまで運動習慣がなかった人は、まずはウォーキングやストレッチなど軽い運動から始めてほしいですね。
また、体のゆがみも関節痛にはよくないので、持ち歩くバッグはリュックサックがおすすめです。左右のバランスが取りやすく、リュックサックを背負うことで肩甲骨が開いて呼吸しやすくなる効果もあります。ただし、荷物を入れ過ぎると腰を痛める原因になるので量は少なめに」(駒形先生)
バッグをリュックサックに変えるのは、すぐにできそうです! 関節痛に悩んでいる人は試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
更年期は関節痛が悪化しやすくなるというお話でした。ただ、更年期が過ぎても加齢による影響がさらに強くなるので、更年期が終わったからラクになったということはあまりないそうです……。関節痛とは長い付き合いになりそうですが、まずはなるべく体を動かすよう意識することが第一歩なのかなと感じました。
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取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。