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無痛分娩・和痛分娩って? お産にまつわる“痛み”を助産師が解説【3】

こんにちは!助産師のREIKOです。以前、「産痛(さんつう)を和らげる方法」についてお話させていただきました。前回お話したのは、医療介入を必要としない方法でした。今回は、医療介入を必要とする方法、「無痛分娩」と「和痛分娩」についてお話したいと思います。

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助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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出産のイメージ

 

こんにちは! 助産師のREIKOです。以前、「産痛(さんつう)を和らげる方法」についてお話させていただきました。

 

前回、お話したのは、医療介入を必要としない方法でした。今回は、医療介入を必要とする方法、「無痛分娩」と「和痛分娩」についてお話ししたいと思います。

 

無痛分娩と和痛分娩

お産のときの痛みが強くなると、ママの体には力が入り、全身の筋肉が緊張した状態になります。加えて、お産への不安や恐怖心が強いと、痛みをより強く感じて悪循環に……。このような状態が続くと、ママは疲労し、陣痛が弱まったり、お産が長引いてしまうこともあります。

 

お産の経過中に生じる痛みやママの疲労を和らげ、お産をすすめる目的でおこなわれるのが「無痛分娩」です。無痛分娩には、薬剤を使用しない方法と薬剤を使用する方法があります。薬剤を使用しない方法は、お産への不安や恐怖感を取り除くことで痛みを和らげる方法で、ソフロロジー分娩やラマーズ法などがそれにあたります。

 

薬剤を使用する・しないにかかわらず、お産のときの痛みを完全になくすことは難しいので、方法は同じであっても、「和痛分娩」と呼んでいる産院もあります。

 

薬剤を使用する方法

無痛分娩のイメージ

 

現在、無痛分娩の主流となっているのが、「硬膜外麻酔」による方法です。背中から麻酔を投与し、痛みを和らげます。細ーいチューブを留置することで、長時間のお産でも麻酔を続けることが可能です。この方法は、帝王切開後の痛み止めとしても使用されています。

 

また、子宮口が全開したあと、陰部神経に局所麻酔をする方法もあります。特殊な針を用いて、腟の壁から薬剤を注入します。この方法は、痛みの緩和だけでなく、会陰の緊張もとることができるので、お産の進行をすすめるという目的にも使われます。

 

そのほかに、お薬を注射したり、点滴をしたりする方法、麻酔薬を吸入する方法などがあります。

 

痛くはないけれどおなかが張っている感じはわかる

私が働いていた病院では、いきむことがママにとってリスクとなるケースや痛みに対する不安がとても強いメンタルケアが必要なケースに限って、日勤帯で無痛分娩をおこなうことがありました。

 

本来は、陣痛室で経過を見るのですが、硬膜外麻酔を分娩室でおこない、そのまま分娩室で経過を見ていました。麻酔薬を使用しているということもあり、トイレに歩いていくことは許可されず、その都度、カテーテルで尿をとっていましたよ。

 

陣痛が来ると、おなかが張る感じはわかるけれど、痛みはほとんど感じないとみなさんお話されていました。いざ出産! となったときは、おなかの張りにあわせていきんでいきますが、最後は吸引分娩や鉗子分娩で少しお手伝いが必要だったと思います。

 

無痛分娩にするかどうかはきちんと説明を聞いてから

無痛分娩は、麻酔薬を使用することもあり、麻酔の技術にたけた医師によっておこなわれなければいけません。麻酔の量や方法を誤ると、ママやおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす危険性もあります。十分な管理体制のもとおこなわれるものだと私は思います。

 

そのため、無痛分娩を予定していたけれど、急な破水で時間外にお産になってしまった……というとき、無痛分娩ができないということもあり得ます。また、どの段階でお薬を使うのかによっても、痛みを感じることもあると思います。

 

無痛分娩を希望する際には、どのような方法でおこなっているのか、リスクや無痛分娩可能な時間帯など、産院の説明をよく聞き、内容を理解したうえで、無痛分娩にするかどうか決めていきましょう。

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

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