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赤ちゃんに食べさせてはいけない食材

はちみつのほかにも、赤ちゃんに食べさせてはいけない食材があります。乳児ボツリヌス症を発症させる原因となるものには黒糖などがあります。その他食中毒の恐れがある生ものなども避けましょう。小さくて丸い形状のものや、噛み切りづらいものは、誤飲・窒息の原因になります。食材以外にも誤飲事故は起こり得ます。十分注意してあげてください。アレルギー食品は、卵・乳製品・小麦・大豆のほか、アナフィラキシーショックを起こす危険のある食材が上げられます。塩味や油の強い食材も、赤ちゃんの体に負担をかけるためおすすめしません。赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。必ず、赤ちゃんの様子をみながら進めてください。

 

こんにちは、ベビーカレンダー編集部です。生後5カ月の赤ちゃんが乳児ボツリヌス症で亡くなられたという報道で、改めて「1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはいけない」ことが認識されています。

 

赤ちゃんに与えていけないものは、はちみつだけではありません。赤ちゃんが食べていいもの悪いものを、「ベビーカレンダーあんしん基準」からピックアップし、はちみつ以外でも避けたほうが良い食材や、窒息の可能性がある食材と食べさせ方、アレルギーについてをまとめました。

 

ベビーカレンダー離乳食あんしん基準 

 

黒糖やはちみつなど、乳児ボツリヌス症の原因となる可能性のある食材

ボツリヌス菌は密封された食品の中で増殖し、命にかかわる食中毒を引き起こします。これがボツリヌス食中毒や、乳児ボツリヌス症です。

 

はちみつ

はちみつは非加熱処理のまま密封し、販売されている場合があります。ボツリヌス菌は酸素が苦手なため、酸素のない状態になっている食品が原因となりやすく、自分を守るために殻を作り出した「芽胞(がほう)」という形態ではちみつ内に存在し、低酸素状態になると発芽して強い毒を出すと言われています。この毒が乳児に食中毒を起こします。

 

黒糖

黒砂糖は精製工程が少ないため、ボツリヌス菌が含まれている可能性があるとされています。ベビーカレンダー離乳食あんしん基準においては、黒糖はNGとしています。

 

砂糖の製造方法はいくつかありますが、原材料名に「原料糖」と表示されているものは、原料を結晶化させて作られています。この工程を経た砂糖は、ボツリヌス菌は排除されています。

 

黒糖でも、「加工黒糖」と表示されているものは、原料を結晶化させて作られているため、ボツリヌス菌の混入はないと考えられています。「黒糖」のみ表示のものは、さとうきびを煮詰めて作られるもので、結晶化の工程を経ていないため、ボツリヌス菌の混入の可能性がゼロではありません。

 

三温糖やブラウンシュガーなども控えたほうがよい?

三温糖は、グラニュー糖や上白糖を製造するときに煎糖(せんとう / 糖液を煮詰めていって水分をとばし、糖を結晶化させること)した後の蜜が材料です。上白糖にカラメル色素で色づけしたものを三温糖として販売している場合もあります。いずれも結晶化の工程を経たものなので、ボツリヌス菌は排除されています。


黒糖と同様、「原料糖」表示のない砂糖(一部のブラウンシュガーなど)は 、ボツリヌス菌が含まれている可能性があります。
 

上白糖は精製されているため、ボツリヌス菌は排除しているとされますが、ボツリヌス菌感染の危険以前に、1歳未満の赤ちゃんに砂糖類を積極的に使用することは、おすすめできません。

食材の自然な甘味を上手に利用することをおすすめします。

 

(砂糖の定義や製造方法取材協力:日新製糖株式会社 お客様相談室)

 

過去にボツリヌス菌が発生した食材

大人の発生事例では缶詰、瓶詰、真空パック食品(からしれんこん)、レトルト類似食品、いずしなどがあります。乳児ボツリヌス症でははちみつのほか、コーンシロップによる発症が報告されています。


大人になれば、はちみつなどに含まれる程度では問題がありませんが、免疫力や抵抗力の弱い赤ちゃんにはNGです。

 

 参考:ボツリヌス菌による食中毒について(食品安全委員会)

「ボツリヌス菌」について知っておきたいこと 

 

 

ボツリヌス菌以外の食中毒を起こす危険のある食材

 

生もの

免疫機能が整っていない乳幼児期は、生ものを与えることは避けましょう。貝類や魚類などの生ものや、生卵は、1歳以上であっても注意が必要です。

 

2006年には9歳の女児が、2011年には8歳の男児が、それぞれサルモネラ菌食中毒で亡くなっており、原因は生卵で感染した疑いが強いと見られています。大人は平気でも、乳幼児は食中毒になる場合があります。生ものは、様子を見ながら、3歳ごろから少しずつあげるようにすることをおすすめします。

 

参考:国立感染症研究所 小児の感染症

関連記事:

【離乳食のギモン】赤ちゃんは卵をいつから食べられるの?

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窒息を起こす可能性のある食材

小さくて丸い形状のもの

ミニトマト、ナッツ、飴などは、赤ちゃんがそのまま飲み込んでしまうと、のどにある気道に詰まり、窒息する恐れがあります。目安として、直径1cm〜5cmの大きさのもの。食材によっては、月齢に合わせた大きさに刻んだり、つぶしたりすれば食べられますが、丸ごと与えることは避けましょう。

 

噛み切りづらいもの

もち、こんにゃくゼリー、寒天、のりなども注意すべき食材です。赤ちゃんが噛み切ることができず、喉に張りつき、気道を塞いでしまう恐れがあります。丸い形状のもの同様、月齢に合わせて刻んだりつぶしたりすれば、食べさせることができる食材もありますが、もちは3歳ごろまで与えることは避けましょう。

 

不慮の事故による死亡者数は、平成18年以降、「窒息事故」が原因によるものが増えています。この「窒息事故」のうち、約半数を占める最も多いものが、食べ物が誤って気管内に入る窒息事故です。乳幼児も毎年20人以上が亡くなっています。食べ物以外でも、気道を塞ぐ恐れのあるものを口にしないよう、ママは十分気をつけてあげてください。

 

参考:消費者庁 食品による子供の窒息事故に御注意ください! 

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強いアレルギーを起こす危険のある食材

卵・乳製品・小麦・大豆

乳幼児期の食物アレルギー原因としてもっとも多いのは、「卵・乳製品・小麦・大豆」です。これらは最初から食べてはいけないということではなく、初めて食べるときには、体調の良いときに少量から試すなど充分注意してほしい食材です。一度食べて、皮膚に湿疹や赤み、呼吸が苦しそう、腹痛、下痢や嘔吐などの反応が出なければ、避ける必要はありません。

 

そば、いか、たこ、えび、かに、ピーナッツ(落花生)など

これらの食材はアナフィラキシーショック(じんましん・下痢・低血圧・呼吸困難などが起こり生命の危険をともなうアレルギー反応)を引き起こす場合もあるので、離乳食期は与えません。ピーナッツはピーナッツオイルやピーナッツバターなど原材料として使用している食品も与えないようにしましょう。

 

あわび、いくらなど、アレルギー物質を含む食品表示を推奨する品目

厚生労働省は、平成13年4月1日よりアレルギー物質を含む食品表示を示すように義務化しました。

 

・法令で規定する特定原材料:卵、乳または乳製品、小麦、そば、ピーナッツ

 

・表示を奨励する特定原材料:あわび、イカ、いくら、エビ、オレンジ、カニ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、リンゴ、ゼラチン

※大豆は、豆腐やきな粉、みそなど多くの加工品があるので注意しましょう。

 

参考:厚生労働省 食物アレルギー

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赤ちゃんの体に負担をかける食材

塩鮭などの塩魚、豚バラ肉やベーコン、オイル漬けツナ缶など

消化器官が未熟なので、塩分・脂肪分、油分の多い塩魚、豚バラ肉などは、赤ちゃんの体に負担をかけやすい食材です。また味覚を育てるという食育の観点からも、なるべく避けることをおすすめします。

 

調味料は、離乳食初期の月齢5〜6カ月のころは使わず、7〜8カ月ごろから少しずつ使用するようにし、濃い味つけに慣れることのないようにしましょう。

 

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離乳食をあげるときの3つの約束

食べてはいけない食材を覚えることも必要ですが、あげかたも大切です。

 

初めての食材はスプーン1杯から

アレルギーには個人差があるので、どの食材で起こるかは分かりません。初めて食べる食材は1日1食材、スプーン1杯など少量にして、赤ちゃんに変化がないかを確認しましょう。食べさせる時間も小児科が空いている平日の午前中がベストです。

 

赤ちゃんの食べ物はなるべく加熱

果実など生でも食べられる物もありますが、加熱した方が安心です。食中毒の原因となる菌の多くは加熱することによって死滅します。食材そのものに菌がなくても、まな板や包丁についていることもあるので、加熱した後に食べさせた方が赤ちゃんには安心です。

 

食べている様子を見守る

のどにつまらせたり、吐きもどしたりしていないかを見守りましょう。自分でつかみ食べができるようになっても食事の時間は目を離さないように。また立ったまま食べたり、歩きながら食べるとのどにつまらせたりなど危険ですので、座って食べさせましょう。

 

赤ちゃんの様子に合わせて食べさせてあげましょう。

赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。必ず、赤ちゃんの様子をみながら進めてください。

食べさせてあげる食材や離乳食は、月齢を目安に、個々の赤ちゃんの発達・発育に合わせて、食材や調理法、食べさせ方などに留意し、与えてあげるよう、改めてお願い申し上げます。

 

 

 

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