「肩たたき」の歌を歌いながらお昼ごはんのお礼の肩たたきをしていた子が泣き始めました。会えない母のことを思い出したのでしょう。それに気付いた女性が頭をなでると、大声で泣きだした子ども。女性は「我慢しないで泣いていいんだよ」と言いながら、子どもを抱き締めました。
その後、キヨは子どもたちからお手玉をねだられました。なぜかというと……。
疎開生活が終わったとしても…
こんにちはゆっぺです。
キヨは集団疎開の子どもの1人から「お手玉持ってる?」と話しかけられました。
お手玉とは、小さな布袋に小豆や米などを入れて縫い合わせたおもちゃのことです。
すると他の子どもたちも「お手玉ちょうだい!」と駆け寄ってきました。
キヨが「そんなにお手玉遊びが好きなの?」と思いながら渡すと、すぐさま袋を破り、中の小豆をボリボリと食べ始めた子どもたち。
当然ですが、通常、生の小豆は食べられません。
子どもたちはそれほど飢えていたのです。
中には、チョークの粉を食べてしまう子もいたそうです。
引率の先生は子どもたちのことを一番に考え、「家族のもとへ返すまで死なせるわけにはいかない」と奮闘していました。
しかし、疎開生活が終わって家族のもとへ帰ろうと思っても、その家族が生きているとは限らないのです。
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チョークの粉を食べてしまうほどの飢えがどれほどのものか、今の時代を生きる私たちにはなかなかわかりません。わからないことはとても幸せなことなのだと、改めて知りますね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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