キャンプや山登りなど、屋外でのレジャーが楽しい季節。同時に、悩まされるのは「虫刺され」です。虫刺されの代表格といえば「蚊」ですが、警戒すべきは蚊だけじゃありません。「マダニ」にも要注意なんです。
マダニってどんな生き物?
厚生労働省によると、夏は「ダニ媒介感染症」が増える季節。病原菌を保有するダニに咬まれて起こる感染症のことで、咬まれた人が病気を発症することがあります。 最も注意しなければいけないのが「マダニ」です。
家の中にいる小さなダニとは違い、クモのような姿で2〜3mmくらいの大きな体をしているのが特徴。動物や人間に取り付くと皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間血を吸い続けます。長いものでは10日以上にも及ぶそうですが、咬まれた本人は血を吸われていることに気づかない場合も多いと言われています。
咬まれないための対策は?
マダニの活動が盛んになるのは春から秋にかけて。野生動物が出没する山などに多く生息していますが、民家の裏山や裏庭、畑やあぜ道などにもいます。
草むらや藪などマダニが生息していそうな場所に入る場合には、半袖に短パン、サンダルはNG。長袖や長ズボンを着用し、ズボンの裾は靴下の中に入れること。さらに足を完全に覆う靴を履いて、帽子や手袋、首にタオルを巻いて、できるだけ露出を少なくします。マダニは黒っぽい色をしているので、服の色はマダニがついたことがわかりやすい明るい色がおすすめです。
屋外活動から戻ってきたらマダニがついていないか、頭部、膝の裏、わきの下、脚の付け根などを重点的にチェック。小さな子供は特に念入りに確認してあげましょう。
もしも咬まれてしまったら?
マダニが皮膚についていることに気づいた場合、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚の中に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまう恐れがあります。自分でとろうとはせず、皮膚科などでマダニの除去・洗浄を。また、マダニに咬まれてから数週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状が出た場合はすぐに医療機関へ行ってください。
日本ではすでに西日本を中心とした21府県で、マダニに咬まれたことによる「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が報告されています。その多くが5〜8月に起きているので、この季節は特に警戒しましょう。
夏は、家族でレジャーに出掛けたり、田舎に住む祖父母ところへ遊びに行ったり、自然と触れ合う機会が増えます。マダニが生息していそうな場所では暑くても薄着では出かけず、咬まれないよう対策しましょう。(TEXT:妹尾香雪)
出典:厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html