私の娘が生後6カ月のころ、親戚を訪問する用事があり、遠出をすることになりました。電車でグズってしまうのが心配で車で向かいましたが、高速道路は渋滞。パーキングエリアのトイレも大混雑です。私は抱っこひもで赤ちゃんを抱っこしながらトイレに並んでいました。
ベビーキープ付きの個室が使いたいけれど
赤ちゃん連れでトイレに入る場合、ママが用を済ませる間、赤ちゃんを座らせておくことができるベビーキープ付きの個室だと助かりますよね。
しかし、私が並んでいたパーキングエリアのトイレでベビーキープの付いている個室は一部だけ。運良く自分の番でベビーキープ付きの個室が空くとは限りません。赤ちゃんを抱っこしたまま用を足すこともできますが、せまいトイレではなにかと不便です。
前に並んでいた方からのうれしい申し出
私の前に並んでいた方の順番が来たとき、ベビーキープ付きの個室が空きました。そのとき、その方は振り向き、「赤ちゃんがいるなら、こっちのほうが使いやすいでしょうから、お先にどうぞ。私はどこでも大丈夫なので」と譲ってくださったのです。
思いがけない好意におどろき、とてもうれしい気持ちになりました。お礼を言い、ありがたくベビーキープ付きの個室を使わせていただきました。
後輩ママさんに配慮できる自分になりたい!
赤ちゃん連れの不便さを経験した人であっても、トイレの長い列に並んでやっと自分の番が来たときに他人に譲るというのは、簡単なことではありません。
あのときの感謝の気持ちを忘れず、私も同じような機会があったときには後輩ママさんへ同じ親切をしてあげられたらいいなと思います。
夏休みの高速の渋滞をきっかけに、このエピソードを思い出しました。あのとき、赤ちゃんだった娘も小学生です。子育てに余裕がでてきた分、後輩ママさんに目を向けるだけの心のゆとりが持てているだろうかと、自分を見つめ直す夏になりました。
著者:奥田美紀
二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。