日々の育児の中で、思い通りにいかない、何度言ってもわかってくれない。ダメだと思っていても、ペチンッ!とたたいてしまいそうに……なんてこともあるかもしれません。そんな子どもへの体罰を防ぐために、厚生労働省は「愛の鞭ゼロ作戦」を展開しています。
体罰はなぜダメなのか?
子どもへの体罰や暴力は、虐待につながる心配があるだけでなく、その体罰で無理やり言うことを聞かせた結果、模範囚のように言いなりになり、自主性や積極性が失われる恐れがあるといわれています。
また、子どものころの体罰によって、精神疾患を持ちやすくなるという研究結果も報告されているのだそうです。
「愛の鞭ゼロ作戦」ってなに?
日本では「愛の鞭」という言葉があるように、体罰による教育が肯定されてきた傾向にありました。
しかし、そんな習慣を根絶し、子どもへの体罰をなくすために、厚生労働省が「愛の鞭ゼロ作戦」を立案しました。ひと言でいうと、「子どもが言うことを聞いてくれなくても、愛の鞭は振るわずに、気持ちに寄り添って前向きに育てましょう」ということです。
厚生労働省は、なぜ体罰はよくないのか? 体罰をする前にクールダウンしましょう!などの内容が書かれたリーフレットを作成し、全国の市町村でのリーフレットの配布を呼びかけています。
長野県の各市町村でも配布開始!
長野県内では、年々増加傾向にある体罰を減らすため、小諸市、立科市が、「愛の鞭ゼロ作戦」のリーフレットの配布を開始。その後、長野市内の各市町村でも、配布を開始する予定とのことです。
ワンオペ育児、育児の孤独化などにより、親にかかる負担は増加傾向にありますが、1人で悩まず、相談できる場所を見つけてほしいという願いも込められています。
子育ては、思い通りにいかないことのほうが多いですよね。イライラしたり、ときに大きな声をあげたくなったりすることもたくさんあります。そんなとき、配布されたリーフレットを見たことにより、思いとどまれることもあるかもしれません。今後も、リーフレットがより多くの地域で配布され、子どもへの体罰を防ぐ活動が展開されていくことに期待したいですね。(TEXT:東 裕子)
参照:http://sukoyaka21.jp/wp/wp-content/uploads/2016/08/ainomuchizero_pdf.pdf