ある日、幼稚園に娘を送り届け帰ろうとすると、園長先生に呼ばれました。「娘さんの頭にシラミがいます。シラミ退治の専用シャンプーで洗髪してください」。最近、娘の頭にフケが増えたな、寒くなってきて乾燥し始めたからだろうか、などとぼんやり考えていた私には寝耳に水のできごとでした。
そもそもシラミとは?
お医者さんに伺ったところ、シラミにかかるのは昔のこと……というのは大きな間違いで、昨今でもよく見られるそうです。
人間に寄生するシラミには、アタマジラミ・ケジラミ・コロモジラミの3種類がありますが、頭に寄生するのが「アタマジラミ」だといわれています。シラミというと、とても小さな虫を想像しがちですが、2〜4mmとわりと大きく肉眼でもしっかり見ることができます。
不潔にしているからうつるわけではない
子どもの頭にシラミ、ということをよく聞くので、子どものみが感染するのかというと、決してそうではありません。アタマジラミは、頭部の血を吸わないと生きていけないため頭部から離れようとせず、移動する際は頭部から頭部へと移動します。子どもにシラミが多いワケは、子どもは頭をくっつけて遊んだりすることが大人より多く、それゆえ、うつる確率が高くなるのです。
つまり、シラミというと不潔にしている頭にいる、というイメージがありますが、毎日洗髪していても、シラミを持っている人の頭と接触すれば、うつってしまう可能性があるということです。子どもがシラミにかかったとすれば、子どもと一緒の布団で寝ている大人にもうつる環境は整ってしまいます。
そもそもの予防法
なによりも頭部を接触させないことが大切です。また、アタマジラミは、頭部から落ちると2〜3日で餓死するそうですが、それまでは生きているということです。そのため、帽子やブラシなど、体に触れるものを共有しないことが予防に有効的といえます。
とはいえ、小さな子どもに、「お友だちとくっついて遊んではダメ!」とは言いにくく、言ったとしても子どもができるとは限りません。次回は、実際にうつってきてしまった娘のシラミをいかにして退治したかについてお話しいたします。(TEXT:ヒロコ ラメッシェ)