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陣痛促進剤の効果とは? どんなときに使うの?【専門家が監修】

この記事では、陣痛促進剤について解説しています。陣痛促進剤は、陣痛自体が起きていないときに陣痛を誘発する目的で使用する場合と、微弱陣痛を改善する目的で使用される場合の2つがあります。

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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陣痛促進剤を投入している妊婦さんのイメージ

 

出産が近づくにつれて、陣痛促進剤について気になってくる妊婦さんも多いのではないでしょうか。陣痛促進剤は出産をサポートするために医療機関からの提案と妊婦さんの同意により使用されることがあります。ここでは、陣痛促進剤の効果や使用されるタイミング、また使用できないケースについてお伝えします。

 

陣痛促進剤とは?

陣痛促進剤とは、子宮の収縮を強める作用がある薬剤で、主に誘発分娩や陣痛を促進するために使われます。陣痛促進剤として使われる薬剤には、オキシトシン製剤、プロスタグランジン製剤があります。

 

陣痛促進剤の効果

薬剤は基本的に内服よりも点滴のほうが早く効果が表れます。しかし、点滴の場合でも最初は微量で、陣痛の強さや間隔、胎児の状況を見ながら徐々に薬剤の量を増やしていきます。そのため急激に陣痛促進時の効果があらわれるということはめったになく、効果の現れ方も個人差がみられます。

 

ですので、陣痛促進剤を使用したその日に出産となる場合もありますが、その日のうちに出産に至らない場合は、帝王切開に切り替わったり、翌日仕切り直して再度陣痛促進剤を使用するという場合もあります。

 

陣痛促進剤を使うタイミングはいつ?

陣痛グラフのイメージ

 

陣痛促進剤は主に出産をサポートするために使われることが多いですが、その場合、陣痛自体が起きていない時に陣痛を誘発する目的で使用する場合と、微弱陣痛を改善する目的で使用される場合の2つがあります。
 

・誘発分娩
妊娠42週以降の出産は、胎盤機能が低下し、胎児の状態が悪化する恐れがあります。そのため、妊娠42週になる前に陣痛促進剤で人工的に陣痛を起こし、誘発分娩をおこなうことがあります。また、陣痛が来る前に破水し、その後も陣痛が来ない場合、感染のリスクが高まるので、誘発分娩となる場合があります。そのほかに、妊娠を継続することで母体、あるいは胎児に影響を及ぼす可能性があると判断された場合などでも誘発分娩をおこなうことがあります。そして、誘発分娩の際、子宮口の熟化を促す処置を先におこなう場合もあります。
 

・陣痛促進
陣痛がきたものの、微弱陣痛によって出産がすすまない場合あります。このままの陣痛では出産まで至らない場合、母体の体力が奪われ、胎児にも危険が及ぶ可能性もあるため、陣痛促進剤を使って陣痛を強めることがあります。

 

陣痛促進剤が使えない場合がある

陣痛促進剤は誰もが使用できる薬剤ではありません。経腟分娩が可能であるということはもちろんですが、陣痛促進剤の使用にあたり、さまざまな条件があります。

 

たとえば、帝王切開や子宮筋腫などの手術の既往がある場合や気管支喘息、緑内障などの合併症がある場合など、陣痛促進剤を絶対に使ってはいけない場合があります。

 

陣痛促進剤を使ったママの体験談

生まれたての赤ちゃんのイメージ

  • 明け方に分娩室へ移動し、陣痛と赤ちゃんの心拍をモニタリングしていると、先生方が走ってきました。赤ちゃんの心拍が落ちてきているとのことで、万が一に備え、帝王切開用の採血と手術の同意書にサインをしました。陣痛促進剤を投与し、陣痛はやっと1分おきに。先生が子宮口を10cmまで広げて、やっとGOサインが出ました。しかし、赤ちゃんが自分で出てくることができないとのことで、吸引分娩でなんとか無事に生まれました。
    27時間かかっての出産。私の場合、帝王切開の一歩手前の状態での経膣分娩となりました。子どもが1歳になる今となっては、それもいい思い出です。赤ちゃんと会うための壮絶な旅だと思ってがんばりましょう!(桜井みおさん)

  • 予定日より1週間早く産まれたのですか、出産の三日前からほぼ5~10分ごとの強い痛みがありほぼ眠れず産院に電話しながらいつ行くか悩んでいました。出産の前日朝早くに入院しいつ生まれてもいいと言われながら、痛みに耐えてましたが、入院してから強烈な吐き気があり出された料理の臭いも受け付けずとても辛かったです。その間破水があったものの、夜中の痛みが強くそのときは陣痛止めたくて仕方なかったです。結局、次の日に39度まで発熱し陣痛が遠退きつつあったので、促進剤を投与して5時間後に生まれました。最後の方は痛みに慣れ、余裕がありました。陣痛はひたすら呼吸で痛みを逃がして一度も叫ぶことなく耐えてました。(小春日和さん)

  • 私は陣痛の痛みがなかなかこなくて  最後に健診に行った時に子宮口はすでに7センチあいていて  促進剤で陣痛の痛みをつけてもらっての出産でした…  なので普通の出産よりも陣痛の痛みが促進剤を入れてからだけだったので  時間的には短かったですが  陣痛の波がくるのがすごく早くて途中力を抜く時間もほとんどありませんでした…。  (りはるさん)

  • 予定日から2日後に自宅で破水して、陣痛促進剤を使用して出産しました。出産前日までお腹が下がってくることもなく、おしるしもなかった為、いつ産まれてくるかもわかりませんでしたが、夜中にいつもよりよく動いていたため、そろそろ出たいのかなーと思っていたら、翌日破水してそのまま入院に至りました。陣痛から出産まで約9時間、いつか終わる痛みだと自分に言い聞かせて乗り越えました。(中略)誕生した瞬間、痛みが一瞬で吹き飛び、母親としての責任感と愛情が湧き上がりました。今、生後2カ月。元気にすくすくと育っている我が子が可愛くてたまらないです。(mnmsさん)

 

 

陣痛促進剤を使用する際には医師から説明があり、妊婦さんの同意のもと行われますので、分からないことがあればしっかり確認をするようにしましょう。医師から説明があった際に焦らずに判断ができるよう、事前に陣痛促進剤について把握しておくとより安心ですね。

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

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