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産んだらOK? 出産後の喫煙について #禁煙週間③

5月31日~6月6日は「禁煙週間」です。この記事では、助産師 REIKOが産後の喫煙や子どもの及ぼす影響について解説しています。

タバコを手にする女性

 

こんにちは! 助産師のREIKOです。5月31日~6月6日は「禁煙週間」です。前回は、妊娠中の喫煙についてお話しさせていただきました。今回は、産後・育児中の喫煙についてお話ししたいと思います。

 

禁煙した人も産後は要注意!

環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」によると、妊娠中に喫煙していた人は5%、妊娠を機に禁煙した人は13%いました。そして、子どもが1歳6カ月時に喫煙していると回答した人が8%に増加しており、妊娠中に禁煙した人が産後に再喫煙しているということがわかります。

 

この調査では、再喫煙の理由は明らかになっていませんが、産後のストレスも影響しているのではないかと考えられます。産後は自分のからだのケアだけでなく、赤ちゃんや家族のお世話に追われ、気分転換やリラックス、ストレス解消のために再喫煙に至るのかもしれません。

 

喫煙と母乳育児

タバコに含まれるニコチンは、喫煙によって母乳に移行することがわかっています。そのため母乳ではなく、ミルクで赤ちゃんを育てたいという方もいらっしゃいます。しかし、子どもの受動喫煙による影響を考えたときに、母乳育児によってさまざまなリスクが軽減されるということから、母乳育児が推進されています。

 

私が働いていた病院でも、喫煙ママには禁煙を促しつつも、授乳の前の喫煙は避け、授乳のあとに喫煙するように説明していましたよ。

 

喫煙が子どもに及ぼす影響

大人同様、子どもの受動喫煙による影響にはさまざまありますが、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク因子のひとつに受動喫煙が関連していると考えられています。そのほか、喘息や呼吸器感染症のリスクが高まると報告されています。

 

しかし、日本では子どもの受動喫煙による影響についての研究がほとんど進んでいないのが現状で、今後研究がすすみ、どのような影響があるのか明らかになり、対策が施されることが望まれます。

 


今回は、子どもの受動喫煙による影響についてお話ししました。しかし、子どもへのタバコの影響は受動喫煙だけではありません。次回は、タバコによる子どもの誤飲事故についてお話ししたいと思います。

 


医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

 

※参考:環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」〈 http://www.env.go.jp/chemi/ceh/results/summary.html 〉(※集計結果は2014年11月30日時点の回答にもとづくデータクリーニング前の暫定的な結果です)国立保健医療科学院『保健医療科学』第64巻 第5号 p.484-494〈 https://www.niph.go.jp/journal/data/64-5/201564050012.pdf 〉奈良県「妊産婦禁煙支援ガイドブック」〈 http://www.pref.nara.jp/secure/122575/2ninsanpusyuui.pdf 〉『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』(南江堂)『母乳育児スタンダード』(医学書院)

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