「スムーズな仕事の引き継ぎ」をおこなうことは、社会人としてのマナー。産休をとったあと職場の人たちが困らないように、万全の準備が不可欠です。
不備なく引き継ぎをするには、どんなポイントに考慮すれば良いのでしょうか?
引き継ぎポイント! 短期決戦に備えた「人選」が必須
女性のライフスタイルに大きな影響を与える妊娠。妊娠を機に会社を退職するのか、それとも復職を目指すのか、思い悩んでいる妊婦さんも多いでしょう。どちらにしても必要なのが「仕事の引き継ぎ」。周囲に迷惑がかからないように配慮するのが、社会人としてのマナーです。
しかし、仕事の引き継ぎは「短期決戦」でもあります。会社に妊娠報告をおこなうのは、安定期に入った5ヶ月前後が一般的。産休に入る時期から逆算すると、3ヶ月ほどの猶予しかありません。そこで重要なのが「人選」。新入社員の教育をしながら、3ヶ月で引き継ぎをするのはできれば避けたいものですよね。パソコン操作や敬語での受け答えなど、必要なスキルを書き出して上司に進言してみるのも良いでしょう。
引き継ぎポイント! 「マニュアル」が必須
妊娠中なら少しでもストレスを感じることなくゆったりと過ごしたいものですが、妊娠報告から産休に入るまではわずか3ヶ月程度しかありません。その短期間で滞りなく引き継ぎを済ませるには、マニュアルが必須といえます。マニュアル作りのポイントは、一日の流れや月末の締日に沿って「時系列」で作ること。
時系列に沿ってマニュアルを作っておくことで、優先順位が明確になり仕事量を把握しやすくなります。また、「雛形」を作っておくのも有効です。作成する書類や社内メール、取引先への書類送付状に至るまで、見本となる雛形を作っておきましょう。見本が有るのと無いのとでは、業務効率に格段の差が生じるのです。
引き継ぎポイント!「アクシデント」の備えが必須
先輩から仕事の引き継ぎを受ける後輩にとって、相談相手が居なくなるというのは実に心細いもの。特に、新規採用や他部署から異動してきた場合ならなおさらでしょう。分からないことがあったときやイレギュラーな業務に対して、相談相手を決めておくのが賢明です。エクセルならAさん、業務日報ならBさんというように、具体的な例を箇条書きにしてあげるのが理想的。
直接引き合わせてあげるのも効果的です。もちろん、「指示系統」を明らかにしておくのも重要なポイントです。決定権が誰にあるのか、誰の決済が必要なのかを業務別に記しておきましょう。自分が居なくても業務に支障が出ないようにするには、小さな気配りが欠かせないのです。
産休に入る妊婦さんにとって、ちょっぴり寂しいのが「仕事の引き継ぎ」。でも、残された猶予は長くはありません。自分が居なくなっても業務に支障を出さないようにするのが、社会人としてのマナー。引き継ぎのポイントを押さえて、スムーズに引き継ぎを済ませましょう。
(TEXT:佐藤 真由美)