産後はゆっくりからだを休めたいけれど、なかなかそういうわけにはいかないというのが現状です。疲労やストレスで体調を崩してしまうママも少なくありません。そんな中、増えてきているのが「産後ケア施設」です。
ベビーカレンダーでは、最近注目の産後ケア施設を訪問し、その特徴とこだわりについてインタビューしています。
産後ケア施設レポート第4回は、千葉県船橋市と連携して積極的に取り組んでおられる愛育レディースクリニックの院長、水谷敏郎院長にお話を伺ってきました。
愛育レディースクリニックってどんなところ?
▲愛育レディースクリニック院長の水谷敏郎先生
水谷院長「愛育レディースクリニックは、2017年1月、現在の新館(船橋市習志野5丁目8-16)にリニューアルしました。新館は旧館から歩いて2,3分のところにあります。 新館を産婦人科として利用し、旧館は日帰り型産後ケアなどに利用しています」
▲2017年1月に完成した新館とそこから徒歩2,3分の場所にある旧館
水谷院長「愛育レディースクリニックの特徴は『よりそう看護。わがままを許される病院』だと思っています。スタッフ全員で”患者さんへ気配りをすること”を第一に考えています。患者さんが迷っているなと思ったら、すぐ患者さんのもとへ行って話を伺い、相談にのったり、解決策をお教えしたりすることを徹底しています。
そして、ファミリーで出産できるような配慮をしています。これは私のこだわりでもあるのですが、おなかの中の赤ちゃんにお父さんの声は聞こえているんです。お父さんがおなかの中の赤ちゃんに声をかけることによって、赤ちゃんも成長し、ママも励みになります。そして、なによりパパの父性が育って、抱っこの仕方やミルクのあげ方もしっかりと学んでおうちに帰ってもらえるんです。
ですので、妊娠中から夫婦一緒に協力してお産をおこなうことがいちばん望ましいんですよ」
妊娠中のお母さんやおなかの中の赤ちゃんだけでなく、お父さんへの配慮についても熱く語ってくださった水谷院長でした。
入院中にフォローできないことをきちんと指導してあげる場を作りたかった
水谷院長「産後、だいたい7日経つと、おっぱいが張ってきて乳房管理がきちんとできる状態になります。しかし出産時の入院は、通常の方であれば5日が標準で、その期間に乳房管理が充分にできるわけではないんです。
昔なら、退院後におっぱいに関してアドバイスするおばあちゃんや近所の人もいたんでしょうけど、今は核家族が増え、周囲の人たちからのサポートも充分ではありません。だから今のママはおっぱいについて迷っている人が多くなってきました。
その他にも入院中の5日間ではフォローできないことがたくさんあります。それをきちんと指導してあげる場所を作りたいと思って、6年前に産後ケアサービスを始めました。その際には、産後ケアでは歴史のある韓国の産後ケアも研究させていただきました。
産後ケアサービスの費用は、1泊2日の場合、愛育レディースクリニックで出産された方は1.5万円、愛育レディースクリニック以外で出産された方は1.8万円です。もちろん、延泊も可能で、一泊あたり愛育レディースクリニックで出産された方は1.5万円、愛育レディースクリニック以外で出産された方は1.8万円となっています。
2017年4月からは船橋市と連携し、宿泊型産後ケアは船橋市の方は1泊2日で6,000円、以降1日ごとに3,000円で利用できるようになりました。
1泊2日の場合、初日は10時にお越しいただき、翌日のお昼ごろに退院されるプログラムになります。最長、6泊7日まで可能ですし、それは連続でなくてもいいんです。なので、市の補助があるのは生後4カ月までなので、それまでの期間に何度かお越しいただく方もいらっしゃいますよ。生まれてすぐ産後ケアを受けられる方もいらっしゃいますし、長い方は30日間いらっしゃった方も。船橋市の補助が受けられない東京都内のママさんも比較的多いように思います」