10年以上前の消費電力の多い白物家電を使っている人はいませんか。使えるのに買い替えるのはもったいないと思われるかもしれませんが、消費電力が下がり、電気代が節約できる面もあるので、買い替えを検討される向けに3つのポイントについてお伝えして参ります。
1.家庭の消費電力の大きいのは、冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンの順
少し古いデータですが、『資源エネルギー庁平成21年度調査 家庭部門機器別電気使用量の内訳』によると、家庭で最も消費電力の大きいのは冷蔵庫で消費電力全体の14.2%、次いで照明の13.4%、テレビ、エアコンと続きます。調査年の平成21年(2009年)は冷夏・暖冬の影響でエアコンの消費電力は少なめに出ている可能性があります。
冷蔵庫は24時間365日電源が入りっぱなしであること、照明、テレビ、エアコンも使用時間が長いため、このような結果になりました。そのため、消費電力を削減する観点で家電を買い替える場合は、この4つを中心に考えるといいでしょう。
2.現在の家電と購入を検討している家電の消費電力を比較
同じような家電でも古い家電は、現在販売されている家電と比べて消費電力が多い傾向にあります。例えば、10年前と現在販売されている同程度のサイズの冷蔵庫の消費電力を比べると、50%程度の差があります。上記は、国内家電3社の消費電力と年間電気代の比較です。
※1:各メーカーホームページ・パンフレットの年間消費電力を参照
※2:年間消費電力に東京電力従量電灯B・第1段階料金を基準に算出(契約内容や電力会社によって年間電気代は上下します)
容量は同程度で比較しても、年間電気代はほぼ半分となります。年間5000円の節約としても10年使えば5万円となる一方で、買い替えすれば冷蔵庫の費用も掛かります。節約した電気代が単純に得するわけではありませんが、そろそろ買い替えをしようと思われた人は節電効果も含めて検討をしてみましょう。また、“10年前”は目安ですので、現在使っている家電の消費電力によっては、性能の良いものもありますし、6~7年前に購入したものでも消費電力が多いものがある点はご注意ください。
冷蔵庫、エアコン、テレビ、温水洗浄便座については、現在使っている家電と販売されている家電の年間消費電力・電気代等が、環境省が運営している「省エネ製品買替ナビゲーションしんきゅうさん」で比較できますので、ご参考になさってください。
※参考:環境省「省エネ製品買替ナビゲーションしんきゅうさん」〈 https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/ 〉
3.自治体から補助が受けられる場合があります
省エネについては、行政が推進している面もあり、お住いの自治体によっては家電の買い替えに補助が出るケースがあります。例えば、東京都足立区では、“省エネ家電製品購入費補助金”があり、区民が対象となる5万円以上の省エネ家電を購入した等の条件を満たすと、12,000円の補助が受けられます。
こちらは一例ですが、補助を実施している自治体ごとの基準があり、事前の申請が必要であったり、金額や人数等に条件があったりしますので、事前に広報誌やホームページ等で内容を確認したうえで、不明な点は担当部署に問い合わせてから利用するようにしましょう。
今年の夏は猛暑が予想されていますので、冷蔵庫やエアコンの消費電力が増える可能性もあります。これらの家電の買替を検討される人は値段や性能だけでなく、省エネ性能や消費電量なども考慮してお買い物をしてみましょう。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。