私たちにできることは?子どもの虐待死防止のためのプロジェクトが始動

2018/08/03 21:00
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この記事では、子どもの虐待死防止のためのプロジェクトを紹介しています。「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」というプロジェクトが始まりました。その発足の記者会見が開かれ、私たちにできることについて聞いてみました。
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虐待をなくそうプロジェクトのイメージ

 

日本全国であとを絶たない子どもの虐待死のニュース。今年3月、東京・目黒区のアパートで船戸結愛ちゃんが死亡した事件は、記憶に新しいところだと思います。当時5歳だったにもかかわらず覚えたてのひらがなで、「おねがい ゆるして」と両親に訴え、そして亡くなっていった結愛ちゃん。

 

しかし、これは氷山の一角で、日本小児科学会の推計では日本で虐待で亡くなる子どもは毎年350人程度。つまり1日に約1人の子どもが虐待死していることになるのです。

 

こうした現状を打破するために、「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」というプロジェクトが始まったのをご存知でしょうか? 先日、プロジェクト発足の記者会見が開かれ、筆者も参加してきました。私たち母親にとっても無関係ではない、結愛ちゃんの虐待死を防げなかった背景、そして私たちにできることについて考えてみました。

 

1週間で10万人近い署名が集まる

「なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018」は、発起人である認定NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんをはじめ、芸能・文化、ビジネス、医療などの各分野で150名以上が共同発起人となって立ち上げられました。虐待死を防ぐための制度づくりを、政府や東京都に求めることが目的で、6月14日からスタートした署名キャンペーンではわずか1週間で10万人近い署名が集まり、人々の関心の高さをうかがわせました。

 

虐待死を防げなかった背景とは

今回のプロジェクトで提言しているのは「児童虐待八策」とした8つの対策。具体的には、「児童相談所のマンパワー不足を解消するために人員を増やすこと」「児童相談所と警察が情報を共有すること」「虐待児の一時保護や親子分離を迅速に行える制度を作ること」「児童虐待防止予算を増額すること」などです。

 

今回、結愛ちゃんの事件が起きてしまった背景のひとつには「児童相談所の数の少なさ」がありました。結愛ちゃんの住んでいた目黒区には児童相談所がなく、隣の品川区の児童相談所が対応していました。そもそも東京都は1,300万人都市にもかかわらず、たった11個の児童相談所しかありません。

 

児童相談所の児童福祉司は1人あたり120件ものケースを担当し、これは欧米の基準の5~6倍だといいます。 また、結愛ちゃんの事件でも明らかになったように、児童相談所と警察は虐待情報を共有化できておらず、そのために最悪のケースを招くことも少なくありません。 こうした課題を克服できれば救える命はたくさんあり、そのためにもこのプロジェクトを通して、政府や東京都に制度改革や予算確保を訴えていく考えです。


私たち、母親にできることは?

虐待死を防ぐために、私たち子育て中の母親が日常の中でできることもある、ということが今回の記者会見では語られました。

 

たとえば、近所の家で虐待が起きているかもしれない、だけど違っていたら近所との関係が悪くなるかもしれないと、ためらうようなケースに遭遇したとき。記者会見では駒崎さんが「虐待かどうかわからない、不確かだから通告するのは行き過ぎではないか、などとためらわず、児童相談所の全国共通ダイヤル“189”に通告をしてください。通告は匿名でおこなうことができます」と、“見て見ぬふりをしない”ことが大事だと話しました。

 

また、虐待まではいかなくても、子育てに余裕をなくしているお母さんを見かけたら、「『大丈夫?』と声かけをしたり、声をかける勇気がないということであれば、ニコッと笑いかけるだけでもいい」(駒崎さん)ということ。私たちも経験があると思います。電車の中などで子どもがぐずって困り果てているときに、ほかの乗客と目が合って、にっこり微笑まれただけで、気持ちがすっと楽になるようなことが。こうした小さな思いやりが、虐待の瀬戸際に立つ母親の心を救ってくれることがあると思います。

 

親が虐待をしている家庭というのは、多くの場合、地域の中で孤立しているそうです。そうした家庭に、私たちが無関心にならないことが虐待による悲しい事件を防ぐ第一歩なのかもしれませんね。

 

 

6月末にはプロジェクトの発起人たちが小池百合子東京都知事と面会し、約10万人の署名を手渡し、児童相談所の体制強化などを要望しました。虐待防止を願う多くの人たちの思いを受けて、今後、国や都がどういう施策を打ち出すのか見守っていきたいですね。


女性誌・書籍・WEBなどで、女性のライフスタイルについて執筆。プライベートでは一児の母として子育ての真っ只中。ワーキングマザーとして自身の育児体験に基づいた記事を提供している。


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