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予定日超過って?! 原因や割合、赤ちゃんへの影響や過ごし方を解説!

この記事では、医師監修のもと、予定日超過について解説しています。予定日超過とは、分娩予定日に該当する妊娠40週0日を過ぎた状態を表す言葉です。原因や割合、赤ちゃんへの影響や過ごし方を知っておきましょう!

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師太田 篤之 先生
産婦人科 | おおたレディースクリニック院長

順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
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出産予定日のイメージ

 

待ちに待った分娩予定日を過ぎても生まれないと、焦ってしまったり、不安になる妊婦さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今回は予定日超過とはどういうことか、また、予定日を過ぎた場合はどのような対応がされるのかまとめました。
 

予定日超過とは?

予定日超過とは、分娩予定日に該当する妊娠40週0日を過ぎた状態を表す言葉です。これは、医療者が一般的にわかりやすく説明するための表現で、医学的な専門用語ではありません。医学的には妊娠37週0日~41週6日の間に分娩することを正期産と定義します。つまり、分娩予定日から2週間以内は正期産の期間で、2週間を越えた場合は過期産です。

 

現代の医学においても、分娩の起こるきっかけについて、まだ解明されていない点は多いですが、分娩予定日を過ぎて出産することはめずらしいことではありません。ただし、妊娠42週を過ぎると胎児死亡率が上昇することから、多くの施設では妊娠42週に入る前に分娩するような対応がおこなわれています。

 

分娩予定日を過ぎて起こる子宮内の変化について

過期妊娠や過期産が起こる原因は今のところ解明されていませんが、妊娠40週以降は、おなかの中の赤ちゃんや胎盤、羊水などに変化が起きることがわかってきています。

 

妊娠40週以降は下記のような状況がいつでも起こる可能性があります。
 

羊水過少

おなかの中の赤ちゃんは、子宮の中でおしっこをするのですが、正期産の時期になると、メカニズムは不明ですがおなかの中の赤ちゃんのおしっこの量が少なくなるため、羊水量は徐々に減り始めます。

 

この状況で胎盤の機能低下が進むと、おなかの中の赤ちゃんと胎盤の血液循環に障害が起き、さらに羊水量は減り、「羊水過少」という状態になるケースがあります。羊水は子宮の中でクッションのような役割をもつため、羊水過少になると臍帯が圧迫されること状態が起きやすく、胎児が子宮内で低酸素状態になる頻度が増え、胎児の健康状態が危険にさらされる可能性があります。

 

胎便吸引症候群

胎児は、子宮の中で排尿をしますが排便はしません。胎便吸引症候群とは、胎児が排便反射が確立する36週以降に子宮内で低酸素状態になり、羊水中に排泄した胎便を、出生時に気道内に吸引して重篤な呼吸障害を引き起こすことです。過期妊娠では羊水過少や羊水混濁が重なるために発生しやすいと言えます。

 

そして、妊娠期間が42週を超えると、巨大児(出生時体重が4,000g以上)、胎盤の機能低下に伴う胎児の栄養や酸素の供給不足、胎児死亡や新生児仮死が起こる危険性があります。

 

また、出産が近づいてくると胎動が少なくなるという俗説を聞かれることもありますが、ほとんどのケースで少なくなることはありません。胎児は子宮の中で20~40分間のサイクルで眠ったり目覚めたりしています。少なくとも1~2時間に1回は胎動を感じるはずなので、いつもより胎動が少ないと思う場合あるいは胎動を感じられない場合は直ちに産院へ電話をして受診しましょう。

 

分娩予定日を過ぎた場合の対応について

国内では、分娩予定日を過ぎても分娩の兆候がないまま41週を迎えた場合、医師へ下記のような手順を進めるように推奨しています。(※1)

 

1.妊娠初期の胎児計測値などから分娩予定日が正しいことを再確認する

国内では、妊娠初期の超音波検査の実施率が高いため、分娩予定日の誤認による妊娠週数のズレは少ない傾向にありますが、分娩予定日を過ぎてもなかなか分娩の兆候が表れない場合は、医師は妊娠初期の所見や胎児の発育状況を確認して、分娩予定日を再度確認して分娩方針を考えます。

 

2.胎児の健康状態を週2回以上確認する

妊娠36週以降は、妊婦健診は基本的に週1回のペースでおこないますが、分娩予定日を過ぎて分娩の兆候がみられない場合、医師は評価する回数を増やして今後の方針を考えます。主な評価方法は、NST(分娩監視装置による胎児心拍数の確認)、超音波検査による羊水量や推定体重の計測、胎児の健康状態の確認です。必要に応じて入院管理をすることもあります。

 

3.妊娠41週に入ったら分娩誘発をおこなうか、自然な陣痛発来を待つ

妊娠41週台になったら、母体の子宮頸管の熟化(出産が近づいて子宮口付近が軟らかくなること)の有無を確認して、今後の方針を考えます。母児共に健康状態が良好かつ頸管の熟化があれば、自然な発来を待つこともあります。頸管の熟化がない場合は、熟化を進める処置をおこなうか、あるいは分娩誘発をすすめるか等を検討します。

 

いずれにしても、自然に待つのか、誘発するのか、経腟分娩の可否、緊急時に帝王切開術をおこなう可能性も視野に入れて、総合的に判断します。処置や誘発をおこなう場合や帝王切開術の可能性がある場合は、医師や助産師から順序だてて説明がおこなわれます。心配なことや不安に思うことがあれば、納得できるまで質問や相談をしましょう。

 

4.妊娠42週0日を迎えたら、分娩誘発をおこなう

妊娠42週以降は、それ以前の週数に比べて児の死亡率が急上昇することから、母児の生命の守るための最善策として分娩誘発をおこなうように推奨されています。

 

まとめ

分娩予定日を過ぎても、まずは焦らないことが大切です。きちんと妊婦健診を受けて、ママだけでなくパパや家族と共に、今できることを考えながら、無事に出産する日を待ちましょう。

 

※1 参考:日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン産科編2017

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

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