2019年10月からの消費税の税率アップが決まりました。消費税率が上がる前には駆け込みでいろいろなものが普段より多く売れますが、高額な自動車や住宅は税率アップ前に購入するか税率アップ後に購入するか、迷われている人もいらっしゃると思います。今回は自動車の購入について2018年10月現在の状況で、どちらが良さそうかをお伝えします。
1.自動車購入時には消費税以外にも税金がかかる
食品や日用品は原則消費税以外の税金はかかりませんが、自動車は購入時に消費税以外にいくつかの税金がかかります。2018年10月時点で新車の場合は、自動車税・自動車重量税・自動車取得税が、中古車の場合は自動車税(車検切れの場合は自動車重量税、年式の新しい場合は自動車取得税がかかるケースもあります)がかかります。また、税金以外にも自賠責保険料、登録諸費用などがかかります。
自動車重量税は、車の重量に応じて課税され、新車登録または車検時に支払います。2年で軽自動車は8,800円、普通車は1トン以下で25,200円、その後500kg上がるごとに12,600円が加算されます。
自動車取得税は、取得価格(車両本体価格+メインオプション)の3%(軽自動車は2%)ですが、エコカーは燃費基準に応じて減税されます。
2.消費税10%と同時に自動車取得税は廃止される予定
消費税10%に税率アップすると同時に自動車取得税は廃止される予定となっていますが、代わりに環境性能割(燃費性能による課税)が始まる予定です。環境性能割は、燃費性能により0~3%(軽自動車は0~2%)の範囲で課税されます。そのため、燃費性能によっては、消費税増税後に購入したほうが総支払いで安くなる可能性もあります。
3.消費税増税かどうかの判断は陸運局の登録日で判断される
自動車購入に際しての消費税率が8%か10%かの判断ですが、契約日や納車日でなく、陸運局への登録日となります。そのため、2019年9月30日までの登録が必要となります。直前になると駆け込み需要も増え、通常より登録まで日数がかかる可能性もあります。また、人気車種・希少車種の場合は、納車までにも時間がかかる場合もあります。そのため、消費税増税前の登録をしたい場合は、ある程度早めに手続きすることをおすすめします。
4.自動車を購入するなら基本的には消費増税前に余裕をもって
消費税増税と合わせて自動車取得税が廃止されると、負担は少なくなりそうですが、多くの車種で環境性能割によって総支払額はあまり変わらなさそうです。環境性能の優れている車種を買う場合は消費税増税後でメリットを受けられる場合もありますが、多くの場合は、消費税増税の負担のほうが影響は大きくなります。また、諸費用にかかる消費税も上がります。
しかし、消費増税前の時期はカーディーラーなどの売る側にとっては商機ですので、来客数も多く、値下げはあまり期待できそうにありません。直前であれば、陸運局の登録に間に合わないかもしれません。そのためにも、自動車を購入する多くの場合は消費増税前に余裕をもって、2019年6月ごろまでを目安に購入することを考えられるとよいでしょう。
また、燃費性能や人気がそこまで高くない場合は、消費税増税後で需要が減った時期に価格交渉するのも一つの考え方です。いずれにしても、新しい制度や補助金などができた場合はその限りではありません。 消費税2%が上がると、100万円につき2万円の負担が増えますので、消費税増税前にしてもあとにしても、混雑期を避け、慌てて手続きをしないようにしっかり考えたうえで、自動車を購入するようにしてください。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。