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FPがこれだけは伝える!住宅を購入する前の家計面のチェックリスト9

この記事では、ファイナンシャルプランナーの大野先生が住宅を購入する前の家計面のチェックリストついてお話しします。初期費用や住宅ローン、住宅ローン免税、贈与税などについてや、将来のライフプラントのバランスについてなど、家を買う人には必ずお伝えしている9項目です。

住宅購入のイメージ

 

消費税の税率アップ前に住宅を購入したらよいか検討されている人が多いようです。「消費税増税と住宅購入についての考え方」の記事でもお伝えしましたが、家計の面から住宅購入前にご確認いただきたい項目をリストにしました。現在、住宅を購入するか検討されている人は参考になさってください。

 

住宅購入前の家計面のチェックリスト

⬜︎ 登記費用や住宅ローンの手数料、引っ越し費用等の初期費用がかかることを理解していますか

⬜︎ 住宅ローンの金利が変化すると返済額が変わる可能性があることを理解していますか

⬜︎ 住宅ローンは複数の金融機関から選べることを知っていますか

⬜︎ 住宅ローン減税を当てにしていませんか

⬜︎ 両親、祖父母などからの贈与がある場合、贈与税の上限や手続きは理解していますか

⬜︎ 現在の家賃と比べて住居費が変わることは理解していますか

⬜︎ 教育費や自動車購入など他のライフプランとのバランスは取れていますか

⬜︎ 生命保険・光熱費・通信費などの固定費の見直しはしましたか

⬜︎ 土地や建物の価値は購入時より下がる可能性があることを理解していますか

 

初期費用について

住宅を購入する場合は、土地・建物の代金だけでなく様々な諸費用がかかります。新築と中古、戸建とマンションでかかる費用は異なる部分もありますが、登記費用、住宅ローンの手数料・保証料、引っ越し費用、家具・家電の購入費用などの諸費用を合計すると、物件の5%~20%程度かかりますので、土地・建物以外にかかる費用について把握するようにしましょう。

 

金利の変化による返済額の変動

不動産業者等からの見積もりで住宅ローンは最も低い金利である変動金利で計算されていることがほとんどです。変動金利は2018年11月時点で0.6%前後ですが、今後金利が上昇した場合は月々の返済額が変わる可能性があります。

 

2000万円を35年・0.6%で借りた場合に月の返済額は52,806円ですが、金利が1.6%の場合の月の返済額は62,222円となります。全期間固定金利であれば返済額は変わりませんが、変動金利・10年固定のような期間限定の固定金利の場合は、返済額が変わる可能性がある前提で家計を考えましょう。

 

住宅ローンについて

住宅ローンは多くの場合、複数の金融機関から選ぶことができます。金融機関によって金利や手数料、団体信用生命保険の内容が異なりますので、条件が良い金融機関を選ぶためにも複数から選ぶとよいでしょう。条件によっては100万円以上も支払い総額が変わることもめずらしくありません。

 

住宅ローン免税について

不動産業者等のセールストークの中には「住宅ローン減税があるので、家賃よりもお得ですよ!」といった話もあります。しかし最大で10年間のため、住宅ローン減税をあまり当てにはしないほうがよいです。当てにし過ぎると住宅ローン減税が終わった11年目には年に10万円単位で負担が増えるように感じます。

 

そのためにも住宅ローン減税を前提で住宅を購入するのではなく、住宅ローン減税で浮いたお金は住宅ローン減税終了後の繰り上げ返済や教育費準備の資金とすることをお勧めします。

 

両親や祖父母からの贈与にも注意

両親、祖父母から贈与がある場合は、通常の贈与(110万円までの非課税)とは別に700万円(耐震・省エネ等住宅は1200万円)を上限に非課税枠がありますが、贈与税の申告手続きをしたうえで非課税となりますので、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日まで手続きをすることを忘れないようにしましょう。贈与税について不明な点がありましたら、最寄りの税務署や税理士や税務署に確認することをお勧めします。

 

賃貸と違う住居費がかかる

賃貸住宅の場合は、家賃以外には管理費・共益費がかかりますが、家賃と同時に支払うケースがほとんどですので、月額の管理がしやすい一方で、持ち家の場合は住宅ローンの返済額以外に固定資産税や管理費・修繕積立金、火災保険と支払先や支払周期が異なる固定費が発生します。毎月・毎年のことですので、トータルで住居費がいくらになるか把握するようにしましょう。

 

ライフプランとのバランス

不動産業者や金融機関では、物件価格や住宅ローンの返済額は収入を中心に話をするケースがほとんどで、家計のバランスから判断されるケースは多くありません。生活費だけでなく、今後の教育費や自動車購入、老後準備資金等の家計やライフプランから住宅費用を検討できるのはご自身やご家族だけです。住宅費用が家計やライフプランから判断して無理がないかを考えるようにしましょう。

 

保険などの固定費の見直し

住宅ローンにはほとんどの場合団体信用生命保険という住宅ローン利用者に万一があった際に保険から返済できる仕組みがあるため、賃貸の場合より死亡保険の保険金・保険料を下げられる可能性があります。また、新居は電気・ガス、電話(固定・携帯とも)やインターネットの利用会社をまとめたり、プランを見直したりできるタイミングでもあります。固定費の削減ができるか住宅購入前後に検討しましょう。

 

土地や建物の価値について

1990年代のバブル崩壊により、土地価格は多くの場所で上昇しにくい状況です。新たな鉄道・道路の建設や利便性・人気の高いエリアであれば土地価格が上昇していることもありますが、日本全体で見ると人口が減り、空き家も相当数ある現状から不動産価格が上がり続ける物件は限られます。そのため、将来不動産価格が上がる前提とはせずに、不動産価格が上がる損得の面よりも、この家や地域に住み続けたいという生活設計や満足度を優先して住宅を購入するとよいでしょう。

 

 

ここに挙げた9項目は私が住宅購入を検討している人とご相談をするうえでお伝えする主な項目です。多くの人にとって住宅は人生最大の買い物であり、何度も経験することがない買い物です。新しいお住まいに夢や希望を持つことはとても良いことと思いますが、一方でライフプランや家計という現実からも判断する材料にしていただければと思います。


1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。

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