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このまま小さめの赤ちゃんを産んでも大丈夫?【助産師が回答】

ベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、小さめの赤ちゃんを妊娠中のママからのご相談です。

赤ちゃんの足

 

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、小さめの赤ちゃんを妊娠中のママからのご相談です。

 

Q. このまま計画分娩をするかどうかとても悩んでいます

現在、妊娠37週の経産婦です。予定日は年末なのですが里帰りや上の子の保育園などの関係で妊娠38週での計画分娩を予定しています。


先週妊娠36週での健診で赤ちゃんの推定体重が2,130gで成長曲線にギリギリ入っている感じでした。その際、出産したときの体重が2,300gに満たない赤ちゃんは、赤ちゃんだけ他の病院に搬送しなければいけないと言われ、このまま妊娠38週での計画分娩をするかどうかとても悩んでいます。ちなみに上の子は妊娠37週で自然分娩したのですが、2,478gで生まれました。


・赤ちゃんが小さいのには私が摂っている栄養バランスに原因があったのか?
・赤ちゃんが低体重児で生まれたときのリスクはどのようなものがあるのか?
・妊娠38週での分娩のメリットデメリット

 

その他何かよいアドバイスがあればよろしくお願いします。

 

高杉絵里助産師からの回答

まず、推定体重ですが、必ずしも出生時の体重と一致するとは限りません。小さめに出ることも多いです。生まれてみたら、推定体重より大きかったということはよくあることです。しかし、体質的に小さめの赤ちゃんになりやすいということはあります。ママの栄養が悪いというわけではなく、ママの体型的に小さめの赤ちゃんになるということもありますよ。たとえば、妊娠高血圧症がありおなかの赤ちゃんが育ちにくいとか原因があって小さめの赤ちゃんもいらっしゃいますが、明らかな原因がない方の方が多いですね。


次に低出生体重児で生まれたときのリスクとしては、体重にもよりますが、生まれたときの呼吸が安定しづらかったり、予備能力が少ないので低血糖や黄疸になりやすいです。皮下脂肪が少ないので、体温維持が難しく冷えやすかったりもします。また、授乳がマイペースだったり、初めはおっぱいを飲むのが少し下手だったりします。しかし、あくまでもリスクなので、何もなく元気なお子さんもいれば、いずれかの症状があったとしても出生後日にちが経ってきて、体重も増えてくれば改善されてくるので大丈夫です。


また、妊娠38週での分娩のメリットですが、体重が小さめでも週数的にはお子さんの発達は生まれてきても大丈夫な時期ですので、ご家族のサポートが得られて安心して出産でき、産後も安心して過ごせるということは大きなメリットだと思います。
デメリットとしては、もう2週間待てばおなかの赤ちゃんも成長するでしょうからもう少し大きめの体重で産んであげることができるということですね。しかし、いつ自然に陣痛がくるかはわからないので、計画分娩にしなくても、妊娠38週で自然に陣痛がきてお産になることもありますので、産まれてくるタイミングは赤ちゃんにしかわかりませんね。


質問者さんの詳しい妊娠の経過がわかりませんので、あくまでも一般的なお話でしかなく、参考程度ですので、このような不安をかかりつけの病院の助産師さんなどのスタッフとお話できればいいなと思います。


※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー

※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください

 

低出生体重児の原因は?

平成22年の乳幼児身体発育調査によると、出生体重の平均は男の子が2980ℊ、女の子が2910ℊとなっています。平成12年に行われた同調査の結果と比較すると、男の子が60ℊ、女の子が50ℊ減少しており、出生体重は減少傾向にあるということです。また、出生数は減少している半面、低出生体重児の出生は増加しているという統計結果が出ています。

 

低出生体重児は生まれる原因として、早産や先天異常、妊娠高血圧症候群などの母体合併症、喫煙などが挙げられます。最近では、母体の痩せも影響しているとのこと。これらの原因の背景には、女性の社会進出にともなうストレスの増加、晩婚化が進んでいることも関連しているようです。

 

低出生体重児の中でも健康で身体に問題のない赤ちゃんはいますが、母体外生活をしていくうえで必要な機能が未熟な赤ちゃんが多いです。赤ちゃんが生まれた週数が早く、出生体重が少ないほど、顕著です。

 

あきらかに特別な管理(治療)が必要な赤ちゃんは、NICU(新生児集中治療室)に入院となりますが、状態が落ち着いている赤ちゃんは産院で経過を見る場合もあります。そのようなケースでは、出生後の低体温や低血糖、呼吸状態の急変などに注意し、経過を見ていく必要があります。また、黄疸が強く出ることもあります。

 

早産で生まれた赤ちゃんは、母体から抗体をもらう期間も短いため、免疫力が低く、さまざまな病気にかかりやすいというリスクがあります。二歳までにすべての子がかかると言われているRSウィルスに感染すると、免疫力がちゃんとある赤ちゃんなら発熱や咳、鼻水など風邪の症状だけで治まりやすいのですが、早産で生まれた赤ちゃんは肺炎になるなど、重症化する場合があります。

 

また、近年、早産で生まれた低出生体重児が成人すると、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を高率に発症することも明らかになってきています。

 

 

赤ちゃんの出生体重も気になりますが、赤ちゃんが生まれた週数や生まれた週数に対して赤ちゃんの体重が多いのか少ないのかなどによって、赤ちゃんの状態は変わります。おなかの中で赤ちゃんが順調に成長できるよう、ママもバランスの良い食事や適度な運動、休息に心がけて妊娠期間を過ごしてくださいね。

 


※参考:基礎知識(ベビー)「新生児の適正な出生体重の範囲は?低出生体重児、巨大児の原因とリスクとは?」【監修者:助産師  REIKO】

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