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赤ちゃんの吐きもどしを予防する方法と、原因・対処法を解説します!

この記事では赤ちゃんの吐きもどしについて、医師監修のもと解説します。突然赤ちゃんが吐きもどしてしまうと、ママもびっくりしてしまうと思いますが、原因や対処法を知っていればあわてずに対処できます。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師松井 潔 先生
小児科 | 神奈川県立こども医療センター 産婦人科

愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
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授乳のイメージ

 

赤ちゃんが母乳や育児用ミルクを飲んだ後に吐きもどしてしまうと何か病気なのでは?と心配になってしまいます。今回は、赤ちゃんの吐きもどしの原因、対処法などについて解説します。

 

赤ちゃんが吐きもどしするのはなぜ?

生まれたばかりの赤ちゃんの胃は、大人と違って縦型で、げっぷが出やすい構造になっています。その一方で胃を固定する靱帯がゆるいため、縦方向によじれやすいという特徴もあります。そうすると、げっぷが出にくくなり、おなかの張りや吐きもどしの原因になります。吐きもどしたとき、吐いたものが未消化の母乳や育児用ミルクで、赤ちゃんの機嫌もよいようであれば心配ありません。

 

また、赤ちゃんの口からダラダラと母乳や育児用ミルクを吐きもどしてしまうこともあります。これは、溢乳(いつにゅう)といい、生理的なものです。

 

吐きもどしの予防法

■げっぷをこまめにさせる
赤ちゃんは寝ているとき、母乳や育児用ミルクを飲んでいるとき、泣いているときなど、同時に空気を飲み込んでいることがあります。そのようなときは、母乳や育児用ミルクの前にげっぷをさせましょう。また飲んでいる途中でげっぷさせるのも効果的です。もちろん、飲んだ後のげっぷも忘れずにおこないましょう。

 

げっぷの方法には、赤ちゃんを縦抱きにして赤ちゃんの顎をママの肩に乗せておこなう方法と赤ちゃんをママの太ももに座らせて赤ちゃんの顎と背中を支えておこなう方法があります。げっぷをさせるときには、赤ちゃんの体がまっすぐになるようにし、背中をさすったり軽くたたいたりしてみましょう。

 

なかにはなかなかげっぷをしない赤ちゃんもいます。母乳や育児用ミルクを飲んだ後、げっぷがじょうずにできない場合は綿棒浣腸でガスを抜いてあげるとよいことがあります。

 

■飲ませる量を調整する
生まれたばかりの赤ちゃんの胃の大きさはとても小さく5~7mlほどしか入りません。それが徐々に大きくなり、生後1週間で45~60ml、生後1カ月になると80~150mlくらいだといわれています。ですが、この時期の赤ちゃんの満腹中枢は未熟で欲しいだけ飲んでしまうということがあります。それが原因で吐きもどしてしまうということもありますので、飲ませる量を調整してみるのも一つの方法です。

 

吐きもどしたときに注意が必要なケースと対処法

母乳や育児用ミルクを飲んだ後によく吐きもどしてしまう赤ちゃんも少なくありませんが、吐きもどした後も機嫌がよく、体重の増えもよいようであれば経過をみてかまいません。しかし、病気が潜んでいるときの吐きもどしは、治療が必要になります。赤ちゃんが吐きもどしたときは、赤ちゃんの状態を確認するとともに、吐いたもの、吐きもどし方、吐いた回数に注意が必要です。


■吐きもどしたもので注意が必要な場合

赤ちゃんが吐きもどしたものの色によって、問題のある部位がどこか予測ができます。


・吐きもどしたものが黄褐色から緑色

十二指腸よりも先の通過障害の可能性があります。


・吐きもどしたものに血液が混じもの

鮮血であれば食道からの出血が考えられます。また、お産の経過中にママの血液を飲んでしまったり、胃よりも先の部分から出血している場合には黒っぽい(コーヒー残渣様)ものを吐きます。


■吐きもどし方の特徴でわかる異常

赤ちゃんの吐きもどし方の特徴によっては下記の異常が考えられます。


・先天性食道閉鎖症・狭窄症

生まれてすぐのころから唾液を口と鼻からカニの泡のように出し、母乳やミルクを飲むとむせて口と鼻から母乳やミルクを噴出します。先天性食道閉鎖症の場合、緊急手術が必要です。


・肥厚性幽門狭窄症
生後2~3週ころから吐きもどしがみられ、徐々に「噴水状」になることが特徴です。薬剤による治療法と手術による治療法がありますが、病院によって方針が異なります。


・腸回転異常症・中腸軸捻転
それまで元気だった赤ちゃんが突然胆汁様のものを吐き戻すようになるのが特徴です。この病気が疑われた場合、緊急手術が必要です。


・新生児胃破裂

生後数日から1週間以内に発症することが多い病気です。母乳やミルクの飲みが悪く、吐きもどし、おなかの張り、呼吸困難、ぐったりして活気がないなどの症状があります。レントゲン検査での診断が可能で、緊急手術が必要になります。現在は非常にまれな病気です。


・ミルクアレルギー
ミルクアレルギーの場合も、吐きもどしやおなかの張り、血便などの症状が見られます。胆汁が混ざった嘔吐をすることもあり、緊急性のある疾患です。外科的な病気との区別が難しいことが多いので直ぐに受診が必要です。

 

 

吐きもどしたものによる窒息や誤嚥をすることはまれですが、呼吸が苦しそうなときは受診をしましょう。また、赤ちゃんが何度もに吐き戻す場合は、

 

・赤ちゃんの機嫌

・赤ちゃんの体重の増え方

・おしっこの回数

・おしっこの色

・皮膚の張り

・唇や口の中の乾き

など、状態や状況を把握して受診しましょう。

 

受診の際は、吐物(とぶつ)を画像に残したり、吐きもどしたものをビニールに包んで見てもらうと状況が伝わりやすくなります。

 

まとめ

突然赤ちゃんが吐きもどしてしまうと、ママもびっくりしてしまうと思いますが、原因や対処法を知っていればあわてずに対処できます。普段の様子をよく見て小さな変化に気づくことが、異常の早期発見にもつながります。何か変だなと思ったら、かかりつけ医に相談してみてください。ママの「いつもと違う」「なにか変」という直感は当たっていることが多いです。

 

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