2018年9月に起きた北海道・胆振東部地震。私は3歳と1歳の2人を子育て中に被災しました。震災後、電気・ガス・水道すべてのライフラインがストップ。小さい子どもを持つ私が被災して大変だったことや困ったこと、やっておいてよかったことについてお伝えします。
食のレパートリーが少ない息子
そのころ息子は1歳すぎだったのですが、離乳食から幼児食へと移行している時期で、今考えると食べられる物のレパートリーが最も少ないころでした。唯一しっかり食べてくれるのがパンやヨーグルトだったのですが、震災後は品薄になって焦りました。
子どもの食の好みは日々変わっていくものだと思いますが、わが家の息子も娘も自分の食べられない味だと判断したものは意地でも食べません。ただでさえ震災後は今までとは違う生活になり、子どもも精神的に不安定になりがちです。非常食は子どもが食べられるものか事前に試食させてみて、食べられるものをストックしておくことが大事だと改めて思いました。
給水所は長蛇の列
震災後に水道が止まり、飲み水を確保するために給水所へ行かなければなりませんでした。転勤族で近くに親や親族などの頼れる人はおらず、夫も仕事だったので、ひとりで子ども2人を連れて給水所へ行くことに。
しかし、そこは長蛇の列。しかもその日に限って北海道にしては気温が高く、炎天下のなか長時間並んだために息子が嘔吐してしまったのです。あと列も半分というところで帰宅せざるを得なくなりました。
家に長期保管できる飲料水をストックしてあったのですが、いつ水道が復旧するかわからず、不安で再び給水所へ向かいました。その後、水道はすぐに復旧したのですが、震災時に子ども2人を連れて動くことの難しさを感じました。
ガソリンを常に半分以上入れておく習慣
わが家は車社会の地域に住んでおり、小さな子どもが2人いるとどこへ行くにも車がないと不便でした。日ごろから車のガソリンを半分以上入れておくようにしているのですが、今回の震災ではこの習慣が非常に役立ちました。停電で携帯の充電ができなかったのですが、車内でバッテリーチャージャーを使って充電できました。また、車内ではテレビも見られるので、情報を得ることもできました。
子どもがいると身軽な動きはできませんし、何かあったときには私が子どもを守らなくてはいけません。携帯の充電、移動、情報を得ることなどを考えて、今もガソリンを半分以上入れておくようにしています。
北海道で大きな地震に被災したのは今回が初めてでした。自分たちだけならば食べ物はなんでもいいし、移動も身軽にできますが、小さな子どもがいるとそうはいきません。この被災経験から、これからはよりいっそう防災意識を高めて持ち物やストックなど、子どものことも考えて準備しておかなくてはいけないなと思いました。
著者:立田みのり
一男一女の母。妊娠、出産を機に退職後、現在は自身の経験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。